好天のもと大盛況、きょうまで産業まつり/陸前高田(別写真あり)
平成30年11月4日付 7面

陸前高田市産業まつりは3日、高田町の中心市街地で開幕した。4日まで、新鮮な農林水産物をはじめとした地元産食材や、同市と交流が深い県外自治体産品の販売、市内外の団体の活動紹介などが各ブースで繰り広げられる。初日は穏やかな秋晴れに恵まれ、朝早くから大勢の人出でにぎわった。同市で新たに就農した人の出店や、県外からの移住者らが生産者の思いをくんで売り子を務めるなど、〝新しい息吹〟も感じられるまつりとなっている。
林農海の魅力たっぷり
新鮮な地元産食材など販売
同市の産業まつりは震災後、旧第一中の仮設グラウンドや当時の総合交流センター建設予定地、市コミュニティホールで開催されるなど、復興の進展に合わせて場所を転々としてきた。新しい中心市街地では昨年初めて開かれ、今年も大型商業施設アバッセたかたと、まちなか広場周辺に約70のブースが軒を連ねた。
開会式では、戸羽太市長が「ここ数年の中でも格別の天気となった。開会式の段階でこれほど人が繰り出した産業まつりも久しくなかったのでは。震災から7年8カ月。少しずつまちの形ができ、活気を取り戻しつつある。陸前高田市で最も〝おもてなし〟ができるまつり。時間が許す限り楽しんでいってほしい」とあいさつした。
同市の友好都市である名古屋市の堀場和夫副市長は「会場では、陸前高田と名古屋のコラボレーションである『コンブ入りみそおでん』も販売している。普通のみそおでんと比べて優しい味になったなと思う」とし、「お互いのまちを思いやり、まちの魅力を共有し発展し合えるような関係が続くことを願っている」と述べた。
会場には農業、水産業、商業、林業とおおむね分野別にテントを設置。それぞれのエリアで旬の果物や野菜の販売、広田湾産魚介類の焼き物の提供などが行われ、お買い得価格で新鮮な地元産食材を求める人々や、木工体験などを楽しむ親子らでにぎわった。
今年初めて企画されたスタンプラリーでは、四つのスタンプを集めて抽選に臨む人も。もちまき、もちつきといったイベントにも人だかりができたほか、名古屋市と、陸前高田への職員派遣などで縁が深い佐賀県武雄市、三重県松阪市、神奈川県茅ケ崎市、愛媛県八幡浜市といった自治体も出店。それぞれ名産品の販売と紹介を行い、昼食時にはご当地グルメも人気を博した。
ブースには若い事業者や第1次産業の担い手らの姿も。千葉県から母親の地元である米崎町に移住して就農し、気仙では珍しいショウガの栽培に取り組む菊地康智さん(34)は、「わざわざ(ブースを)探してきてくれたり、普段から冷え対策などでショウガを使っている方が『地のものなら買っていくわ』と購入してくださったりする。去年は寒かったが今年は天気にも恵まれ、にぎやかになってよかった」と話していた。
4日は午前9時から市保健推進員のダンス、同20分からもちまき、同50分から濱守栄子ライブ、同10時30分から林業まつりステージ、同11時からと午後1時50分から長尾匡祐ライブを実施。
午前11時30分からは、もちつきとどん菓子まき、午後0時10分からは秋田県鹿角市の「花輪ばやし」、同50分からは今村草志ジャグリングショー、同1時20分からは「斉藤選手」ライブ、同2時30分からもちまきを行う。閉会は同3時。