チェーンソー操作競う、丸太の早切り大会/住田(別写真あり)

▲ 林業仲間が見守る中でタイムを競った=住田町運動公園

 住田町世田米の町運動公園駐車場で4日、チェーンソー操作の技術などを競う第10回丸太早切り大会が開かれた。町内外から林業従事者らが集い、八角形に製材されたスギの丸太を切り落とすスピードを争った。タイム短縮は伐採現場での効率性向上などにつながるとあって、参加者は自らの限界に挑戦するだけでなく、仲間との交流を深めながらさらなる林業振興を誓い合った。

 

今年で10回目、現場力向上へ技術研さん

 

 この大会は、同町と奥州市に店舗を構える斎藤機械店(齊藤剛社長)が主催。森林・林業日本一を目指す同町において林業従事者の意識・技術の高揚に努めるとともに、相互の親睦と交流を図ろうと毎年この時期に開いている。
 主に、県内の山林で素材生産に励む林業従事者約30人が参加。タイムチャレンジでは、1辺13㌢の正八角形に整えられた太さ約30㌢のスギ材を切り落とす時間を競った。
 予選はチェーンソーの排気量別に5部門で実施。蛍光色の防護服に身を包んだ参加者が次々と特設ステージに上がり、エンジン音を響かせた。
 各部門上位者による決勝では、本体が同じチェーンソーを使い、各選手が用意したバーとチェーン部分をそれぞれ取り替えながら競技を進行。同じ条件下で、腕を競った。
 記録を左右する一つが、各選手に委ねられる刃部分の「目立て」。状態が良ければタイム短縮だけでなく、作業時の疲労軽減や機械の壊れにくさにもつながるとされる。
 上位者は4秒台での決着とあって、選手たちが刃を入れ、木の粉が舞うと緊張感に包まれた。選手の家族や地域住民も多数訪れ、プロの技術を目に焼き付けた。
 大会は今年で10回を重ね、今では11月の風物詩として定着。見守った関係者からは「毎年、タイムが良くなっている」といった声が聞かれ、継続開催による技術向上をうかがわせた。
 決勝で4秒43を記録し、優勝を飾った大船渡市立根町の松野達郎さん(59)は、今大会で審判長も務めた。「目立てが良ければ、チェーンソーの能力を100%発揮できる。大会で学んだことを、各現場で生かしてもらえれば」と話していた。
 総合結果次の通り。
 ▽順位①松野達郎(大船渡市)4秒43②工藤健一(二戸市)4秒82③千田誠(北上市)5秒01④細川稔(大船渡市)5秒05⑤松田格(住田町)5秒43