国道107号の早期改良を、3市町と関係機関が知事へ要望書を提出/気仙

▲ 国道107号の早期整備に向け、気仙3市町と関係機関が県知事への要望書を提出=盛岡市

 気仙3市町と関係団体、事業者は5日、盛岡市の県庁を訪ね、県知事に対する要望書「気仙地域と東北横断自動車道を結ぶ国道107号の改良整備の早期事業化など」を提出した。一行は、気仙地域と同自動車道釜石秋田線宮守インターチェンジを結ぶ国道107号に関し、峠部への新トンネル設置や屈曲区間の解消などをはじめ、冬季における安全対策の充実、重要物流道路指定に向けた取り組みの強化を要望。気仙地域と県内陸部とを結ぶ高規格幹線道路が未設置である中、地域の復興、発展のためにも同路線の早期改良整備を求めた。

 

 気仙地域と内陸部は、横断軸となる高規格幹線道路で結ばれておらず、国道107号など内陸部にアクセスする路線には急カーブや急勾配、峠部の路面凍結など、安全で安心な通行を阻害する要因が多く残る。住民福祉の向上や地域振興を図るうえでも、幹線道路の改良整備は重要な課題となっている。
 大船渡市は、平成28年度に設置した「物流等の円滑化と活性化を図る道路ネットワーク検討会」で、気仙地域から内陸部へアクセスする基幹的な路線を検討し、国道107号を選定。同年度からは、気仙3市町と関係機関、事業所が連携し、県へ同路線の早期改良整備を要望している。
 こうした動きを受け、県は29年度、国道107号の調査事業に着手。同路線の猪川町地区から住田町の荷沢峠地区までの31・6㌔において、地形や交通状況、線形等の不良箇所などを調べた。
 本年度は調査内容をもとに地形図を作成し、費用対効果に必要な事業費の算出を行うための検討を計画。整備優先箇所の選出まで進めたいとしている。
 3年目となった本年度の要望活動には、大船渡市の戸田公明市長、住田町の山田研建設課長、陸前高田市の村上充建設課長補佐、大船渡市議会の熊谷昭浩議長、田村誠、佐々木茂光両県議、関係機関の代表者ら21人が出席。県側は、県土整備部の八重樫弘明部長らが対応した。
 要望書は、気仙3市町や大船渡市議会、大船渡商工会議所、けせんロードネット女性の会など16の関係機関が連名で作成。国道107号に関して3点の要望事項を挙げ、「将来的には地域高規格道路の指定を目指しながら、当面は、幹線横断道路としての機能が発揮されるよう、特段の配慮を」と求めている。
 本年度の要望事項は、①白石峠および荷沢峠での新たなトンネルの建設や屈曲区間のショートカットなど、改良整備の早期事業化②積雪や路面凍結時の安全対策の充実③内陸部と重要港湾「大船渡港」を結ぶ幹線道路の重要物流道路指定に向けた取り組みの推進──。このうち、②と③は新規事項となる。
 戸田市長は八重樫部長へ要望書を手渡し、要望内容を説明。「今後、県の調査と連携し、さらに検討を深めながら整備の必要性を明らかにしていきたい。来年度には事業化に向けて、さらなる取り組みをお願いしたい」と述べた。山田課長、村上課長補佐、熊谷議長もそれぞれの立場から早期整備を求めた。
 八重樫部長は、「国道107号は東日本大震災津波の際の救命・救急活動、救援物資輸送に大変重要な役割を果たしたと認識している」としたうえで、「今の段階で、具体的にいつ着工できるか、どういう方法があるかについては、もうしばらく皆さんと相談をしながら検討させてもらいたい」と理解を求めた。
 各要望項目に対する県側の回答のうち、①について道路建設課の田中隆司総括課長は「国道107号は横軸の道路として、物流や医療関係、産業振興にとって非常に重要な路線。現在、現道のカーブや勾配などの現況調査を行っており、当該区間の中でも優先度の高い区間等をピックアップしようとして、いろいろな検討を進めている。それに引き続き、どういった整備が可能かをさらに検討していきたい」との考えを示した。
 このあと、大船渡商工会議所、大船渡国際港湾ターミナル協同組合、大船渡水産振興会からも、改めて早期整備や冬場の安全対策などを要望。田村、佐々木両県議も、気仙地方と内陸部とを結ぶ幹線道路の必要性を強く求めた。
 気仙3市町と関係機関では、今後も要望活動を続け、国道107号の早期整備へ働きかけていくとしている。