県の防災ヘリ出動し連携訓練、市消防本部が2年ぶりに実施/陸前高田(動画、別写真あり)

▲ 傷病者のつり上げ訓練などを実施=高田町

 陸前高田市消防本部、同市消防署と県防災航空隊との連携訓練は13日、高田町の市総合交流センター(夢アリーナたかた)駐車場で行われた。県防災ヘリコプター「ひめかみ」の出動を要請したと想定し、連携体制を確立するもので、市内では2年ぶりの実施。消防署員らが上空偵察に加え、傷病者のつり上げ、引き継ぎなどの各種訓練を展開し、緊急時の動き方を念入りに確認した。

 

緊急時の対応念入りに

 

真剣な面持ちで資機材の説明を受ける消防署員ら=同

 訓練は、県防災ヘリについての知識や注意点を理解し、出動要請時の円滑な連携体制、活動時の協力体制を確立しようとのもの。一昨年には高田町の市コミュニティホールヘリポートを使って行い、今回は今春開館した夢アリーナで初めて実施した。
 同署の署員19人、県防災航空隊の5人が参加。平成28年4月に同市消防本部から派遣され、来年3月に帰任予定の同航空隊員・菅野裕樹さん(31)も臨んだ。
 前回は天候不良などのため、防災ヘリによる上空偵察訓練のみの実施となったが、今回は気象条件に恵まれたため、上空偵察に加えて▽緊急運航要請▽離発着誘導▽傷病者つり上げ救助▽傷病者引き継ぎ――の合わせて五つの訓練を行った。
 署員の出動要請を受け、花巻空港をたった防災ヘリは約20分後、夢アリーナに到着。機体は、一昨年度に更新されたもので、はじめに搭載している最新設備、資機材の説明が行われた。
 傷病者の救助、つり上げ訓練では、登山道で滑落した人の救助・搬送を想定して繰り広げられた。要救助者役の署員を救助用の担架に固定し、上空のヘリからワイヤを使って降下してきた航空隊員が、担架ごと慎重につり上げて搬送。その後、要救助者を待機していた救急車へと引き継いだ。
 同航空隊に派遣された経験のある同署警防係の金野剛憲さん(39)は「前回は上空偵察のみだったので、予定通りすべての訓練を実施し動き方を確認できてよかった」と話していた。
 同署副署長で、同市消防本部警防係の戸羽進係長は「新しい防災ヘリに出動していただき、意義深かった。今回の訓練を生かし、実際にヘリ出動を要請する事案が発生したときは迅速、的確に対応していく」と気を引き締めた。