サンマ漁が数量・金額とも本州一、10月末現在で前年累計上回る1万2319㌧/大船渡市魚市場

▲ すでに前年の累計数量を上回ったサンマ=大船渡市魚市場

 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は12日、平成29・30年の対比サンマ水揚げ状況(10月31日現在)を発表した。同日現在、大船渡市魚市場への水揚げは数量1万2319㌧(前年同期比130%増)、金額24億214万円(同30%増)で、ともに全国2位、本州1位。数量はすでに不漁だった29年の最終実績を上回っており、今後のさらなる上積みに期待がかかる。
 全さんまによると、同日現在での全国の総水揚げ量は9万6788㌧で、前年比112%増、金額は194億7622万円で同22%増。県内は、累計数量1万7968㌧で同152%増、金額は35億2222万円で同47%増となっている。
 数量が前年を大幅に上回っていることもあって、10㌔当たりの平均単価は1950円と、前年同期の3457円を大きく下回っている。
 県内のサンマ水揚げ量は、大船渡がほとんどを占める。今季の大船渡への初水揚げは8月25日で、北海道沖のロシア海域で漁獲した大型主体の計26㌧が水揚げされた。
 以降、9月1日までは好調に水揚げが続き、同日現在で数量562・76㌧(前年同期比133・4%)となって豊漁への期待が膨らみかけたが、直後から不安定な漁況・海況に見舞われ、2週間ほど水揚げが途切れていた。
 しかし、サンマが再び姿を見せ始めた9月中旬以降は、大きく途切れることもなく水揚げが続いており、10月31日時点では数量・金額とも北海道の花咲港に次ぐ全国2位、本州では1位となっている。
 一般社団法人漁業サービス情報センターが9日に公表したサンマ中短期漁況予報によると、三陸海域への来遊量は11月中旬に増加するものの低位水準。同月下旬から12月中旬には来遊量が減少し、以降は断続的な来遊になって終漁するとしている。
 29年の全国のサンマ水揚げ数量は7万7169㌧で前年比30%減と、記録的不漁だった昭和44年の約5万2000㌧以来、半世紀ぶりの低水準、平成に入ってからは最低の数量となった。大船渡への水揚げ数量は同19・9%減の1万1087㌧と不振を極めた28年をさらに下回った。
 市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱の佐藤光男専務は「今後も途切れずに水揚げが続いてくれれば」と話している。