来店者数1万人に、市農協の金融移動店舗車/大船渡(別写真あり)

▲ 来店者1万人目の鈴木さん㊥に記念品を贈呈=三陸町綾里

運用3年で大台到達

 大船渡市農協(JAおおふなと、菊池司組合長)は16日、三陸町綾里の旧JA綾里支店で、金融移動店舗車の来店者数1万人達成を祝う記念セレモニーを開いた。運用開始から約3年で節目を達成。関係者が大台到達を喜ぶとともに、支店空白地区のサービス維持へ思いを新たにした。
 1万人目の来店者は、通帳繰越のため訪れた地元の鈴木后子さん(47)。菊池組合長が岩手県のブランド米「銀河のしずく」5㌔など記念品を手渡し、車両の前で記念撮影を行った。
 鈴木さんは「たくさんの人が待ち構えていてびっくりした」と笑い、「綾里支店がなくなり不便にはなったが、その分、移動店舗車には助かっている。もっと巡回日を増やしてもらえればさらにうれしい」と話していた。
 同店舗車は、JAの支店再編で閉店した支店地区を対象に、平成27年11月から運行。2㌧トラックの荷台部分を業務スペースに改装し、普通貯金の入出金、通帳の記帳、税金や公共料金の収納、年金・融資の相談などを手がける。停電や災害発生時の臨時店舗としての活用も想定している。
 今春からは、地域や組合員らにさらに親しみを持ってもらおうと、「ふれ愛・きずな号」の愛称で各地区を巡回。現在は、立根、吉浜、広田、日頃市、有住、綾里の6地区を、基本的に週に1度のペースでまわっている。
 菊池組合長は「支店統廃合により、廃止支店地区内の皆さまには大変なご不便をかけている。お客さまの玄関口を窓口とする移動店舗車を巡回させ、地域の暮らしに少しでも役立てていきたい」と決意を語った。