平山さん(大船渡2年)2部門で特賞、県高総文祭美術工芸展

▲ 食品ロスを考える作品㊨がデザイン部門で、スズメが寄り添う作品が絵画部門で、それぞれ特賞に輝いた平山さん=大船渡高

 第41回県高校総合文化祭美術工芸展はこのほど、盛岡市の県民会館で行われ、大船渡高校美術部(部員22人)の平山優さん(2年)が出品した2作品が絵画、デザインの両部門でそれぞれ特賞に輝いた。このうち、食品ロスをテーマにデザインした作品が全国推薦作品となり、来年夏に佐賀県で行われる全国高校総合文化祭「さが総文」で展示される。

 

1作品は全国推薦に
来夏の「さが総文」で展示

 

 同展は、県内の高校美術部の作品が一堂に集う県内最大のコンクール。本年度は絵画、デザイン、立体、工芸の4部門で作品が募集され、絵画部門には652点が、デザイン部門には142点が寄せられた。
 このうち、絵画部門は34点が、デザイン部門は7点が特賞となったが、両部門で特賞に輝いたのは平山さん一人。
 また、絵画部門では同校の山下森人君(2年)と寺谷湖子さん(1年)も特賞を受賞している。
 各部門の特賞のうち、数点が全国推薦作品となり、全国高総文祭で展示される。同校では昨年、同部の白圡恵さん(3年)がデザイン部門で全国推薦されており、それに続く快挙となった。
 デザイン部門で全国推薦された平山さんの作品は「食品ロスを考えるデザイン」。
 生ごみが入ったポリバケツを人々が取り囲んでいる様子を描き、「私たち一人一人の食意識への変化が〝食品ロス〟の減少へと繋がります」と訴えている。
 平山さんは「いろいろな社会問題があるが、その中でも自分にとって身近で、意識次第で改善できるものを取り上げようと思った」と制作の動機を話す。
 作品づくりは9月に開始。「バケツや食べ物などの資料探しに苦労したが、描き始めてからはスムーズに進めることができた」と振り返る。
 一方、絵画部門には、たくさんのスズメが寄り添う様子を描いた「ちゅん─慈しみ─」を出品。絵を描いたパネルもスズメの形とするなど、工夫を凝らした。
 両部門での特賞受賞について、平山さんは「まさか二つとも受賞できるとは思わなかったのでうれしい。作品が全国にいくのは初めてなので、自信につながると思う。デザイン部門の作品は、家に持ち帰って制作した時もあったので、苦労が報われた感じ。絵画部門では全国にいけなかったが、愛情を込めて作ることができたし、一番制作が楽しかった」と笑顔を見せる。
 自身の作品が展示される「さが総文」にも足を運ぶ予定で、「他の人の作品から良いところを吸収して来られれば」と意欲を見せる。
 「将来は、絵を特技として生かせるような仕事に就きたい」という平山さん。「作品づくりの際に、しっかりと制作する意味を考えながら丁寧に描くように心がけていきたい」と、作品制作に対する意識を高めている。