ヤブツバキ副原料の「三陸ビール」を開発、東京都の南さん/大船渡
平成30年11月25日付 7面
東京都目黒区在住の会社員・南忠佑さん(41)は、三陸沿岸の素材を副原料とした「三陸ビール」の開発に取り組んでいる。23日には、大船渡市大船渡町のキャッセン・モール&パティオなどを会場とした飲み歩きイベント「きゃっせん!バル」に出店し、大船渡のヤブツバキを副原料に開発した第1弾の「三陸ビール」を提供。来春、三陸沿岸や東京都の各飲食店などへの販売を目指している。
来春からの販売目指す
東京都のIT系企業に勤める南さん。アウトドアが好きで、妻・佳代子さんが大船渡町出身という縁から、月に1〜2回の頻度で気仙地区を訪れ、フライフィッシングなどを楽しんでいる。
「アウトドアでビールを飲む時が最高の瞬間」といい、自らも趣味で醸造所に通って勉強を重ねてきた。気仙に通う中で、ビールの副原料としておもしろそうなものが数多くあることに気付き、今年6月には大船渡町内にクラフトビールの開発・販売を手がける「三陸ブルーイング・カンパニー合同会社」を設立。三陸の素材を使ったビールの開発を進めている。
今回、第1弾としてイベントでお披露目したのが、ヤブツバキを使った「三陸ビール」。ベルギー発祥で、フルーティーな香りと清涼感のある味わいが特徴の「ベルジャンホワイト」をベースとし、末崎町の「世界の椿館・碁石」から分けてもらったヤブツバキをアクセントとして加えている。
「ベルギーでは貝類を食べながら飲んでいるので、三陸地域とも相性のいいビールだと思う」と南さん。「きゃっせん!バル」では、〝ウエルカムドリンク〟としてビールを提供し、来場者からは「飲みやすい」といった声が上がっていた。
今後は、このビールの改良を重ねながら、三陸の海・山の幸を使ったさまざまなスタイルの「三陸ビール」を開発していく予定。
現在、製造は東京はじめ各地の醸造所の設備を借りて行っているが、将来的には、移住も含めて大船渡に醸造所を造ることを考えているといい、「ビールを通じて、三陸の魅力を発信していきたい。大船渡を盛り上げていければ」と意欲をみせる。
南さんは、25日も「きゃっせん!バル」でビールを提供(午後4時45分〜6時)する。





