充実の活動振り返る、五葉山自然倶楽部が20周年記念式典開催

▲ 体験講演などを通じて活動を振り返った20周年式典=世田米

 気仙の霊峰・五葉山を愛する人々で構成する五葉山自然倶楽部(菊池賢一会長、141人)の創立20周年記念式典は25日、住田町世田米の松嶋家で開かれた。参加者は、ゆっくりでありながらも、着実に五葉山の素晴らしさを分かちあってきた足跡を振り返りながら、さらなる未来を見据えた活動の充実を誓い合った。
 記念式典には、会員ら約40人が出席。冒頭、菊池会長は「最初は模索状態だったが、今では会員も増え、五葉山の親しみの深さを感じている。20年を語り合い、これからの10年に向けた糧を見いだしていきたい」とあいさつした。
 五葉山石楠花荘改修促進協議会の市川滋会長と、三陸中部森林管理署の菅野敏裕署長が祝辞。会員らの寄稿や、これまでの足跡をまとめた創立20周年記念誌の刊行報告も行われた。
 記念誌をもとに活動を振り返ったあと、「親しみながら楽しみながら」と題して体験講演。同倶楽部内の組織である黒岩会の紺野忠事務局長、同じく緑想会の柴田由人会長、澤田幸枝事務局会計が、それぞれ自身のかかわりを交えながら充実の活動を伝えた。
 引き続き、活動20周年に合わせて同倶楽部がまとめた「五葉山宣言」を確認。登山や散策、写真撮影や文筆活動などを通じて、気づかされた思いなどを言葉にしたもので、相互に知恵を出し合い、五葉山のすばらしさを伝える今後の決意も込められている。
 この中では▽自然に向き合う姿勢、自然を大切にしたいと思う▽共に学び合い、喜びを分かち合う▽自ら考え、行動する創造力を涵養していく──からなる「こころ」に向き合い、五葉山が発するメッセージを大切にしていくとしている。
 終了後は、記念祝賀会を開催。なごやかな雰囲気の中で映像紹介や懇談などが行われ、出席者は仲間と心を通わせた日々を振り返りながら、五葉山への愛着をさらに深めていた。
 五葉山自然倶楽部は、平成10年に発足。沿岸最高峰の五葉山やその周辺の自然に愛着を持つ気仙内外の会員らが集い、その魅力を共有、発信、保護する活動を展開している。同28年には、第41回東海社会文化賞を受賞した。