あす正午に規制解除、末崎町細浦地区の臨港道路が対面通行に/大船渡

▲ 30日に規制解除となる臨港道路

 大船渡漁港(細浦地区)の災害復旧工事に伴って通行止めとなっていた大船渡市末崎町峯岸から細浦を走る臨港道路が、30日(金)の正午(予定)に規制解除となり、対面通行に戻る。臨港道路周辺の工事がほぼ完了したことによるもので、同漁港を利用する漁業者をはじめとした地域住民らの利便性向上につながりそうだ。

 平成23年の東日本大震災で、同漁港も地盤沈下など大きな被害を受けた。県では23年中にがれき撤去を開始し、漁船の係留場所の確保など応急工事を経て、24年に本格復旧に着手。27年4月からは工事に伴い、旧細浦魚市場への入り口付近から南側560㍍にわたって通行規制措置が取られていた。
 通行規制では、大船渡町方面から南進する車両は臨港道路側、北進して大船渡町方面に向かう車は山手側の県道を通る一方通行となっていた。
 これにより、北進する車両が漁港に向かうためには、一度県道を通ってから規制区間を抜け、再度、臨港道路へと向かう必要があった。
 今回、一部防潮堤関係の工事を残しておおむね復旧が完了したことから規制解除に至り、北進車両も臨港道路で直接、漁港へとアクセスできるようになる。
 一方で、震災前は無堤区間だった細浦地区では防潮堤の新設が進められていることから、工事の関係で来年1月中旬以降、臨港道路の一部約100㍍の区間で再び通行規制措置が取られることとなっており、規制区間手前に迂回(うかい)路を設ける予定。
 細浦地区の漁港には約170隻の漁船が登録しており、漁港沿いを走る臨港道路は地域の漁業者にとって重要なルートとなっているため、早期の完成が望まれる。
 県沿岸広域振興局大船渡水産振興センターの菊池貢漁港管理課長は「利用している方々にはご不便をおかけしてきたが、ようやく対面通行ができるようになった。残る工事も早期完成を目指したい」と話している。
 また、県道に隣接する同町細浦の長源寺参道付近では現在、市が被災跡地を活用した多目的広場の整備を進めており、来年3月の完成、同4月の供用開始を目指している。
 広場を利用した住民同士の交流活性化にも期待が寄せられており、金野博史細浦地区公民館長は「待ちに待った規制解除。利便性の向上により、広場に多くの人が集まってくれれば」と語る。