開館後3年は県直営に、来夏オープンの津波伝承館/陸前高田
平成30年12月14日付 1面

入館無料の方向で検討
県は11日、高田松原津波復興祈念公園内に整備される東日本大震災津波伝承館(愛称・いわてTSUNAMIメモリアル)について、来夏の開館から3年は、県が直接管理運営を行う形態とする方針を県議会12月定例会で示した。入館料については、現在のところ無料の方向で検討している。
津波伝承館は、復興祈念公園内に建設される新・道の駅高田松原の中に県が整備。市が同駅内に整備する地域振興施設と同様、開館時期は平成31年8月~9月ごろを予定する。釜石市で来年開催されるラグビーワールドカップに合わせ、国内外からの来訪者誘致の一助としたい考えだ。
津波伝承館部分の延床面積は1500平方㍍で、建設費は約7億300万円。自然災害のリスクと過去の津波、東日本大震災の出来事と教訓などについてを伝えるため「歴史をひも解く」「事実を知る」「教訓を学ぶ」「復興をともに進める」の4ゾーンを設置し、同公園と陸前高田市、三陸沿岸地域に関する情報発信を行うインフォメーションコーナーを加え、五つのゾーンで構成。平成31~33年度は県の直営とする。
12日に開かれた陸前高田市議会全員協議会で、市当局がこうした概要を説明。議員からは「3年目までの管理運営について詳細を聞きたい。4年目以降の管理はどうなるのか」と質問があった。
阿部勝建設部長は「詳細はまだ伺っていないが、伝承館の重要性をかんがみて、県の職員を直接配置する考えのようだ。4年目以降、直営とするか委託にするかといったことは、まだ検討中と聞いている」と答弁した。
また、阿部部長は「入館料については無料の方針だが、県議会でも有料のほうがいいのではという意見もあるなど、さまざまな議論がなされている」とした。
戸羽太市長は同館について、「陸前高田市は防災・減災を考える広いフィールドとしての役割を果たすことが交流人口拡大の点からも重要。その拠点であり、命を考えてもらうための大切な場所なので、オープンがスムーズにいくよう、県とも検討を図っていきたい」と述べた。