インバウンド見据え連携を、北東北グリーン・ツーリズム交流会/住田などで(別写真あり)

▲ 留学生やグリーン・ツーリズム実践者がワークショップを行い、意見共有を図りながら交流

 いわてグリーン・ツーリズムネットワーク連絡会(菊池新一会長)による平成30年度北東北グリーン・ツーリズムネットワーク情報交換・交流会は13、14の両日、住田町などで行われた。青森、岩手、秋田各県のグリーン・ツーリズム実践者や留学生らが集い、外国人観光客らを生かした活性化を見据えてワークショップなどを展開。風土や食など各地の良さを生かした連携充実に向け、相互交流を深めた。

 

実践者や留学生ら集う

 

 情報交換・交流会は、北東北3県各地で行われている多彩な活動に理解を深めるとともに、相互の情報交換・交流を図ろうと毎年各地で開催。本年度は、認定NPO法人遠野山・里・暮らしネットワークや、住田町観光協会が共催した。
 各県の実践者や早稲田大学などで学ぶ留学生ら約80人が参加。13日は町役場町民ホールで開会行事や講演、活動報告が行われた。
 開会行事では、菊池会長が訪日外国人旅行者(インバウンド)やグリーン・ツーリズムの現状についてふれ、「西高東低」と指摘。「九州には観光客が多く訪れているが、九州は一つのかたまりとなって活動している感がある。これからは東北の時代が来ると信じており、北東北全体として対応していくのが大切」と述べた。
 講演では「グローバル社会におけるインバウンドと地方創生」をテーマに、㈱バウンレスのデニス・チア代表取締役が講演。デニス氏はシンガポール出身で、地域活性化や在日外国人と日本人による新たなコミュニティー構築などに力を注いでいる。
 デニス氏は、国内の大学や大学院の留学生が年々増加している傾向を挙げ、外国人観光客と各地方を結ぶ役割を担っていく可能性を強調。留学生は地域の魅力や課題を知ることができ、地方にとっても新たな切り口での活性化につながるなど、双方のメリットにもふれた。
 会場では、留学生やグリーン・ツーリズム実践者によるワークショップも。外国人、実践者それぞれの視点で日本の魅力や北東北の特徴を出し合い、活性化に向けたヒントを探った。
 活動報告では、一般社団法人マルゴト陸前高田の伊藤雅人代表が民泊や企業研修の受入充実につながった取り組み事例を紹介。エリア活動事例発表では、すみた民泊協会の紺野昭雄会長らがこれまでの足跡や地域の強みを生かした活動を発信した。
 引き続き、世田米のホテルグリーンベル高勘で交流会を開催。参加者のうち27人が町内で民泊し、住民と交流を深めながら住田の食生活や住環境に理解を深めた。
 14日はオプショナルツアーが組まれ、陸前高田市に移動。養殖漁業が盛んな広田湾の景色を目に焼き付けたほか、養殖カキを味わうなどして、復興へと歩む沿岸ルートを組み入れたツアー導入や受入拡大に向けてアイデアを膨らませた。