暗算検定で十段に合格、大船渡出身の東さん(福島大1年)

▲ 暗算検定で十段に合格した東さん

 大船渡市立根町出身の東このみさん(18)=福島大学1年=が、公益社団法人全国珠算教育連盟が主催する第387回暗算検定試験で最高段位の十段に合格した。珠算歴約10年での最高段位到達を喜ぶとともに、現在九段の珠算検定での十段合格に意欲を燃やしている。

 

珠算歴10年で最高段位に、短期集中型の特訓実る

 

 暗算検定試験は乗暗算(かけ暗算)、除暗算(わり暗算)、見取暗算の3種目が行われる。
 各種目40問出題され、満点はそれぞれ200点。制限時間はいずれも3分で、各種目70点以上で準初段となり、以後、点数によって段位が上がる仕組み。十段の場合は各種目190点以上で合格となる。
 東さんは、立根小1年の時に盛珠算クラブでそろばんを始め、大船渡一中2年の時に九段に到達。このほど盛岡市で行われた第28回岩手県珠算振興選手権大会で、読上暗算、読上算の2競技と団体総合競技でチャンピオンに輝くなど、実績をあげている。
 九段昇格後、段位は足踏みが続いていたが、福島大入学後に長期休暇を利用し「短期集中型」の特訓を行い、9月末に行われた検定試験で見事、昇段を果たした。
 東さんは「やっと合格したのでうれしいけど、実感はない。まだまだこれから」と気を引き締める。
 珠算や暗算で必要なのは練習量と速さ、正確さ。数字の書き方まで問われるため、見やすく、きれいな字を書くために集中的に数字の書き方を練習することもあるという。
 今後は、同連盟の珠算検定試験での十段合格を目標に据える。「目標を達成しても、珠算をやめることはないと思う。いろいろな大会に出場していきたい」と力を込める。
 大学では、経済学を学んでいる。珠算で鍛えた計算力がベースにあり、「数学は得意」という東さんは「(計算が多用される)経済学は、なじむところがある」と、笑顔を見せる。
 将来は金融系の職業への就職を目指しており、「今まで続けてきたことを無駄にしないように、この技術を生かせる仕事に就きたい」という。