今季のサンマ漁・数量1万7379㌧に、不漁の過去3年上回る/大船渡市魚市場

▲ 不漁の過去3年を上回った今季サンマ漁

 大船渡市魚市場の今季サンマ水揚げ実績がまとまった。数量1万7379㌧(前年比54・7%増)、金額(税込み)31億3231万円(同7・3%増)となり、不漁だった平成27~29年を大きく上回った。一方で、東日本大震災前3カ年の数量には届いておらず、来年以降の豊漁に期待がかかる。
 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)によると、大船渡へのサンマ水揚げ数量は震災前の平成20年が3万400㌧、21年が2万8995㌧、22年が2万1687㌧。
 震災で魚市場も大きな被害を受けた23年は1万8438㌧、翌24年は2万385㌧となり、25年は1万4585㌧に落ち込んだが、26年は2万7133㌧と持ち直した。
 しかし、27年は1万3684㌧、28年は1万3845㌧と低迷。全国の累計数量が記録的不漁だった昭和44年以来、半世紀ぶりの低水準、平成に入ってからは最低となった29年は、1万1088㌧と3年連続で不漁に見舞われた。
 今年の大船渡へのサンマ初水揚げは8月25日で、北海道沖のロシア海域で漁獲した大型主体の計26㌧が水揚げされた。
 以降、9月1日までは好調に水揚げが続き、同日現在で数量562・76㌧(前年同期比133・4%増)となって豊漁への期待が膨らみかけたが、直後から不安定な漁況、海況に見舞われ、2週間ほど水揚げが途切れていた。
 サンマが再び姿を見せ始めた9月中旬以降は水揚げが続き、全さんまが今月10日に発表した29・30年の対比サンマ水揚げ状況によると、11月30日時点で同魚市場への水揚げは数量1万7047㌧(同67%増)、金額31億1204万円(同9%増)で、ともに全国2位、本州1位となっていた。本州3位の気仙沼とは数量でわずか368㌧差となっており、各港の最終実績にも注目が集まる。
 同日時点での全国の総水揚げ量は11万8207㌧で、前年比60%増、金額は224億1655万円で同6%増。県内は、累計数量2万3701㌧で同82%増、金額は43億3710万円で同9%増と、全国的に復調傾向に。
 大船渡では、11月以降も漁が大きく途切れることはなく今月11日まで水揚げが続き、不漁だった過去3年を大幅に上回る結果となった。
 市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱の佐藤光男専務は「取れたように感じるかもしれないが、不漁の年と比べればの話。来年はもっと取れてくれれば」と大漁への期待を込める。