思い出深い学びやに別れ、気仙小が「感謝の会」/陸前高田(動画、別写真あり)

 来年1月に陸前高田市気仙町今泉地区の新校舎に移転する気仙小学校(金野美惠子校長、児童54人)は25日、長部地区にある現校舎に感謝と別れを告げる集会を開いた。旧長部小として昭和31年に建てられた学びやは東日本大震災後、被災者の避難所としても利用された。児童たちが思い出を胸に刻み、新たな学校でも充実した日々を送る決意を新たにした。

 

 来年1月の新校舎移転を前に

 

震災後は避難所としても活用された校舎

 震災の津波で全壊した旧気仙小は、翌月の平成23年4月から旧長部小校舎を間借りし、両校の児童が合同で学校生活を送った。両校は25年4月に統合し、新生・気仙小が誕生。校舎は、そのまま旧長部小校舎を利用してきた。
 校庭に整備された応急仮設住宅が昨年11月までに解体・撤去され、本年度は校庭を会場に震災後としては最初で最後の運動会やマラソン大会を開き、児童たちが広々としたグラウンドでハツラツと駆け回った。
 「感謝の会」と銘打ったこの日の集いには、全校児童のほか、地域住民ら約20人が出席した。
 全校児童がステージに整列し、現校舎と地域への感謝のメッセージを発表。「地域の皆さんはいつも笑顔で見守ってくれて、その支えのおかげで安心して過ごすことができた」「この校舎とお別れするのはとても寂しいけど、これからも力を合わせて頑張る」などと力強く語り、心を込めた合唱も披露した。
 地域を代表し、長部地区コミュニティ推進協議会の菅野征一会長(73)が、旧長部小の沿革を紹介しながら「たくさんの思い出をつくった場所。校舎に大感謝と『お疲れさまでした』という思いを改めて伝えたい」と述べ、児童たちに「新しい校舎でも現在の校舎同様、勉強やスポーツに目いっぱい取り組んで」と呼びかけた。
 学校統合後、第1期生として入学した児童会長の鈴木愛弓さん(6年)は「入学したときのドキドキ、ワクワクした気持ちを今でも覚えている。今年は校庭で運動会やマラソン大会ができて、とても思い出に残っている」と笑顔を見せた。
 新校舎の落成式と3学期の始業式は1月18日(金)に行われる予定。