生徒主体の活動発信、住民らを招き地域創造学プロジェクト発表会/世田米中(別写真あり)
平成30年12月26日付 2面

住田町立世田米中学校(佐藤智一校長、生徒63人)で25日、町独自の新設教科「地域創造学」を通じて取り組んだプロジェクトの報告会が行われた。生徒たちは自然・文化資源の活用や魅力発信を目指し、特色あふれる取り組みを展開。地域住民らの前で成果を示すとともに、さらなる充実に向けてアドバイスを求めた。
地域創造学は、文部科学省による研究開発学校事業の一環。昨年度に世田米小、有住小、世田米中、有住中、県立住田高校の計5校が指定を受け、児童生徒が主体的に取り組みながら社会的実践力を身につけた人材育成などを目指している。
本年度から実践が本格化し、同校では4月の授業参観で地域の声を聞きながらプランをまとめる活動からスタート。9月のプロジェクト発表会で地域住民や町内団体関係者から助言を求め、生徒自身が主体的に試行錯誤を重ねながら取り組みを続けてきた。
まとめの場と位置づけた今回の報告会には、保護者や地域住民ら約30人が足を運んだ。佐藤校長は「『地域の生の声を聞くこと』をキーワードにしてきた。生徒たちがどのように試行錯誤してきたのかを、掘り進めながら聞いていただきたい」とあいさつした。
プロジェクト数は各学年合わせて約20にのぼり、発表は「ポスターセッション」と呼ばれる手法で行われた。グループごとに模造紙に内容をまとめ発表し、一般的な報告会よりも発表者と来場者の距離が近く、盛んに意見交換が行われた。
3年生はそれぞれ「食材をいかして、食材の良さを伝えたい」「日常の風景をいかしたマップやスライドショーをつくりたい」「星空をいかして、星が綺麗な場所のマップをつくりたい」などに取り組んだ。成果品を示すだけでなく、計画変更に迫られた理由など、実践の過程も振り返った。
耳を傾けた地域住民らは、実現させるためのヒントや、乗り越えなければならない課題などを指摘。生徒たちは盛んにメモを取り、今後の学習につなげようと真剣な表情を見せていた。
「木や植物をいかして、ボックスアートをつくりたい」をテーマに発表した3年生の岡沢赳充君(15)は、実際に手がけた作品も示しながら報告。「緊張したけど、分かりやすく説明できたと思う。これまでの取り組みは、時間の制約があってたいへんなこともあったけど、責任を持ちながら頑張ることができた」と話し、笑顔を見せていた。