2018気仙この1年/記者の取材ノートより【総集編】

平成30年 きょう閉幕、本格復興への歩み続く

 

 平成30年も、残すところきょう1日限り。東日本大震災の発生から8年目を迎えた気仙では今年、津波で被災した中心市街地の再生や区画整理事業が両市で進展するなど、本格復興への歩みが続いた。「2018 気仙この1年」。最終回は総集編として3市町を駆け巡ったニュースを月ごとにピックアップし、気仙の今年を振り返る。(文中年齢、肩書きは当時)

 

 

1月

 

 ▽第43回東海社会文化賞の受賞者に、地元教育施設に図書購入費を贈るための「豆一升運動」を受け継いでいる大船渡市の日頃市地区公民館と、長年にわたり入院患者のサポートや院内美化などの奉仕活動に取り組んでいる県立大船渡病院ボランティア山吹の会が決定
 ▽大船渡市の綾里、吉浜両国民健康保険診療所に常勤医が着任。平成28年10月から続いていた常勤医師の不在が解消
 ▽住宅などを焼く火災が相次いでいた大船渡市三陸町綾里の野形地区で、平成27年12月末以降6件目となる火災が発生。不審火が疑われる状況下、付近住民の不安募る
 ▽陸前高田市の市街地区画整理事業高田地区かさ上げ部で、初の宅地引き渡し

 

2月

 

 ▽陸前高田市の市街地区画整理事業今泉地区かさ上げ部で、初の宅地引き渡し
 ▽気仙地区議会国際リニアコライダー誘致推進議員連盟が発足
 ▽囲碁界最高峰のタイトルを争う第42期棋聖戦七番勝負の第4局が大船渡市のリアスホールで行われ、井山裕太七冠が挑戦者の一力遼八段に勝利

 

3月

 

 ▽東日本大震災発生から7年、各地で犠牲者の追悼行事
 ▽陸前高田市の高台に再建された県立高田病院が開院
 ▽大船渡市の第一中学校区および日頃市・越喜来・吉浜地区学校統合合同協議会が第一と日頃市、越喜来、吉浜各中学校について、平成32年4月の統合を目指すことを決定
 ▽主要地方道・大船渡広田陸前高田線のうち、陸前高田市小友、広田町内の2区間が開通
 ▽「陸前高田さいがいFM」が閉局
 ▽大船渡市が独自に指定しているサクラの標本木が開花。平成8年の観測開始以来、最も早い開花宣言

 

4月

 

 ▽陸前高田市の広田診療所と済生会陸前高田診療所に新しく医師が着任
 ▽陸前高田市総合交流センター(愛称・夢アリーナたかた)がオープン
 ▽陸前高田市の高田一中と気仙中が統合し、高田第一中開校
 ▽大船渡市の赤崎グラウンドの本格供用開始
 ▽陸前高田市と米国デルノーテ郡クレセントシティ市が姉妹都市提携
 ▽大船渡消防署住田分署が本格供用開始

防災だけでなく「まちの顔」としての役割も担う大船渡消防署住田分署が完成=住田町


 ▽春の叙勲で住田町の元町議会議長・荒木久一さん(79)と、大船渡市の元市議会副議長・鎌田和昭さん(71)がそれぞれ旭日双光章(地方自治功労)を受章
 ▽JR大船渡駅周辺地区「第3期まちびらき」を実施
 ▽住田町が総務省の「『関係人口』創出事業」モデル事業団体に採択

 

5月

 

 ▽JR大船渡駅周辺地区・津波復興拠点整備事業⑧街区に2事業者の新工場オープン
 ▽被災跡地を活用した大船渡市の浦浜地区緑地広場が供用開始
 ▽陸前高田市の復興まちづくり情報館が中心市街地に移転して再オープン
 ▽イサダの水揚げ金額が平成11年以降で最高に
 ▽住田町のまち家世田米駅の来訪者が開業2年で5万人突破
 ▽まひ性貝毒により気仙地区内でも養殖貝類の出荷自主規制続く
 ▽大船渡市内の防集事業で用地の造成工事が完了

 

6月

 

 ▽大船渡市防災観光交流センターが全館供用を開始

大船渡駅周辺地区の交流拠点として誕生した防災観光交流センター=大船渡市


 ▽陸前高田商工会館が落成
 ▽ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の集団発生が相次ぐ

 

7月

 

 ▽大船渡市営球場が供用再開
 ▽大船渡市大船渡町に大船渡工場を置く太洋産業㈱が民事再生法の適用申請
 ▽大船渡市の吉浜海水浴場と陸前高田市の広田海水浴場で震災後初の海開き
 ▽三陸沿岸道路「唐桑高田道路」のうち、陸前高田長部IC─陸前高田IC間の延長6・5㌔の供用開始

 

8月

 

 ▽気仙・三陸ジオパーク推進会議が発足
 ▽住田町が三陸木材高次加工協同組合と協同組合さんりくランバーの両事業体や連帯保証人を相手に申し立てていた債権回収にかかる調停手続きが打ち切りに
 ▽三陸沿岸道路「吉浜釜石道路」のうち、吉浜IC─釜石南IC間の延長5㌔の供用開始
 ▽陸前高田市総合交流センターで大相撲夏巡業
 ▽三陸ジオパークけせん地域協議会が発足
 ▽大船渡市の大船渡・末崎地区学校統合合同協議会が大船渡・末崎両中学校について、平成33年4月の統合を目指すことを決定

 

9月

 

 ▽住田町と県大船渡土木センター住田整備事務所が昭和橋景観検討委員会を設立
 ▽大船渡市が管理する災害公営住宅の空き住戸について、被災者以外の一般による入居も可能に
 ▽陸前高田市長選(31年1月27日告示)に元県企画理事で横田町出身の新人・紺野由夫氏(59)=盛岡市=が出馬表明
 ▽陸前高田市高田町の高田南幹線と同西幹線の開通などを祝う「まちびらきまつり」開催

高田町の交通広場完成に合わせて「まちびらき」イベントを2日間にわたり開催=陸前高田市

 

10月

 

 ▽大船渡市のおおふなと夢商店街隣に新商業施設「おおふなと夢横丁」開業
 ▽陸前高田市長選に3選出馬の意向を示していた現職の戸羽太氏(53)=高田町=が出馬表明
 ▽大船渡市農協が男性職員(55)による約4200万円(その後の調査で約4500万円)の着服を発表
 ▽震災で被災した大船渡市内の消防屯所18棟すべての再建が完了
 ▽大船渡市の一般県道・丸森権現堂線のうち、大船渡町新田地区で車道部分のかさ上げ復旧工事完了
 ▽まひ性貝毒により4月から自主規制が続いていた気仙両市のホタテ(殻付き鮮貝)の出荷が全域で再開
 ▽陸前高田市が管理する災害公営住宅10団地の空き住戸について、被災者以外の一般による入居も可能に
 ▽住田町が三木・ランバー債権回収問題などに取り組む対策チームを設立

 

11月

 

 ▽秋の叙勲で陸前高田市の元陸前高田市議会議員・菅野日出男さん(70)、大船渡市の一般社団法人岩手県建築士事務所協会長・新沼義雄さん(80)が旭日双光章、同市の県警察嘱託医・菊田裕さん(71)が瑞宝双光章、陸前高田市の元民生・児童委員・村上登男さん(83)が瑞宝単光章を受章
 ▽民事再生手続きを進めていた太洋産業㈱が、東京地裁から手続き廃止決定と保全命令を受け破産に移行
 ▽県による再生工事が進む陸前高田市の高田松原の砂浜(総延長1750㍍)のうち、海水浴場としての利用を見込む延長700㍍の工事が完了
 ▽任期満了に伴う大船渡市長選で、無所属の現職・戸田公明氏(69)が、無所属の新人・藤原良信氏(67)破り3選果たす
 ▽大船渡市の赤崎・綾里地区学校統合合同協議会が赤崎・綾里両中学校について、平成33年4月に「新設」方式での統合を決定
 ▽大船渡市三陸町吉浜の「吉浜のスネカ」が無形文化遺産に登録決定

 

12月

 

 ▽陸前高田市の大船渡線BRT竹駒駅周辺でバス自動運転技術実証実験スタート
 ▽大船渡市観光物産協会が「さんま焼き師」の名称を商標登録へ
 ▽陸前高田市の国道45号「気仙大橋」が本復旧して供用開始
 ▽秋サケ、アワビが不漁。サンマは不漁だった過去3年を上回る数量・金額に
 ▽日本学術会議が国際リニアコライダー(ILC)見直し計画について、「日本に誘致することを支持するに至らない」とする回答を文部科学省に提出
 ▽Jリーグ・鹿島アントラーズの小笠原満男選手=大船渡高卒=が引退を発表