大々漁に願い込めて、新年恒例の「手締め式」/大船渡市魚市場(動画、別写真あり)

▲ 初競りでにぎわう場内

 大船渡市大船渡町の大船渡市魚市場で4日、新年初営業日恒例の「初売り手締め式」が開かれた。定置網のサバやイナダ、ワカナ、ヤリイカなどが水揚げされた場内は初競りで活気づき、集まった関係者らが水産振興や今季の大々漁に期待を込めた。

 

初競りで場内にぎわう

 

 手締め式には、市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱(千葉隆美社長)の職員、仲買業者や市、市議会、商工会議所などの関係者合わせて約100人が、縁起物の赤いタオルを首に巻いて出席。
 冒頭、魚市場開設者の戸田公明市長が昨年の漁況に触れながら「水産業を基幹産業とする当市としても、資源確保や漁業経営の安定、担い手対策、貝毒対策、漁船誘致等による水揚げ充実を図っていきたい。今後とも、関係機関と連携を強め、水産業振興に全力で取り組んでいく所存」とあいさつした。
 続いて、千葉社長の音頭で三本締めを行い、今年の大漁や商売繁盛を祈願。関係者は一年の豊漁を願いながら、魚市場業務のスタートを切った。
 三陸沿岸では昨年、サンマ漁がやや復調したものの、定置網の主力魚種となっている秋サケが不漁に見舞われた。
 同魚市場の今季サンマ水揚げ実績は、数量が1万7379㌧(前年比56・7%増)、金額(税込み)が31億3231万円(同7・3%増)。不漁だった過去3年を大きく上回り、数量・金額とも本州第1位を維持した。
 一方で、県がまとめた秋サケ漁獲速報(平成30年12月20日現在)によると、大船渡市魚市場への秋サケの水揚げ量は前年比37・6%減の370㌧。金額は同60・7%減の2億4892万円にとどまっており、史上最低数量となる見通し。
 昨年12月28日現在の同魚市場の水揚げ実績は、4月からの累計で数量が3万6064㌧、金額が58億1574万9000円。サンマが前年を大幅に上回ったことから、累計数量は前年比で約5600㌧増となったが、秋サケなどの不漁が響き、金額は4億円ほど下回っている。
 同社の佐藤光男専務は「昨年は、地元経済に大きな影響を与える定置網の秋サケが不漁で、厳しい年だった。今年は春先のマス類、秋サケの復活、サンマの大漁に期待したい」と話していた。