販路開拓・拡大に一定の成果、成約率は9・6%に/第2回マチナカ商談会
平成31年1月8日付 1面

大船渡商工会議所(齊藤俊明会頭)は、昨年11月に開催した第2回「三陸けせんマチナカ商談会」の実施状況(同年12月末現在)をまとめた。今回の商談会には、気仙3市町から26社が出展し、地元内外のバイヤー(買い手)53社が参加。行われた商談125件のうち、成立は12件(9・6%)と一般的な商談会の成約率5%を上回り、出展者の7割が次回も参加を希望しているなど、販路の開拓、拡大に一定の成果が表れている。会議所側では、今週から出展者らへのフォローアップを進めて現状や成果を把握し、継続商談の成立、新たな販路拡大につなげていきたいとしている。
7割が「次回も出展を」
マチナカ商談会は、三陸けせん希望ストリート連絡協議会(会長・齊藤会頭)が共催。東日本大震災後における販路の開拓、拡大が課題となる中、気仙の魅力ある商品を地元や県内などに改めて紹介して活用、浸透を図ろうと、平成29年度に初開催した。
商談会未経験の事業所が、気軽に参加できる場にも位置付け。東京・有楽町での展示即売会「三陸けせん希望ストリート」や、営業力の向上などを目的に事業所が専門家からマンツーマンで指導を受ける「個者支援」、複数の事業所が集団形式でリピーター確保策などを学ぶ「スキルアップセミナー」とも連動している。
本年度の第2回商談会は、昨年11月14日に盛町のリアスホールで開かれ、大船渡市の17社、陸前高田市の6社、住田町の3社が出展。バイヤー側は、気仙の18社25人、そのほかの県内14社20人、県外21社23人の計53社68人が参加した。
会場では出展事業者ごとにブースを開設し、水産、農産、畜産の各加工品、酒類、菓子、調味料、鉄工品など、総勢110商品を展示。チラシやパンフレットの配布、試食なども交え、バイヤーらと商談を行った。
なかには複数の出展者が協力し、試食を提供する新たな試みも。会場で配布した出品目録の商品情報には、バイヤーらの要望を受けてJANコード(商品識別番号)も掲載したほか、商談会の翌日には希望するバイヤーを対象とした産地視察会も開いた。
主催者側では、出展者に「商談シート」を配布し、会場での商談や取引成立の有無などを調査。昨年12月末現在のまとめによると、総商談数125件のうち、取引が成立したのは12件(9・6%)、継続商談が96件(76・8%)、不成立は17件(13・6%)となっている。
同会議所によると、全国で開かれている一般的な商談会での成約率は5%ほどといい、9・6%はこれを上回る数字。29年度の第1回商談会の7・8%(開催当日調査分)から、1・8ポイント上昇した。
主催者側では「一般的な商談会に比べれば高い成約率であり、販路回復につながっている」と話し、販路拡大も含めて一定の成果が表れてきたとする。
希望ストリートの売り上げも、昨年10月の第7回で初めて1000万円を突破。こうした背景には、個者支援やスキルアップセミナーによる各事業所の営業力、情報発信、商品開発のレベルアップも大きいとみている。
主催者側が実施したアンケートによると、出展者のうち半数が自社商品に「興味を持ってもらえた」との印象を抱いており、約7割が次回も開催されるのであれば「参加したい」と回答。販路の開拓、拡大を目指す地元事業者にとっては、自社商品のPRもできる貴重な場として定着しつつある。
商談会は、次年度も開催する方向で検討中。こうした中、主催者側では「もう少し気仙の事業所からバイヤーの参加があれば、もっと商談の成立は多くなるだろうと思う。こちら側としても、実際に事業所に赴いてチラシを配布するなどの周知を図っているが、来てもらえるための新たな仕掛けも必要と考えている」と話す。
主催者側では今後、各出展者のフォローアップを行い、商談に新たな展開がみられたかなどを調査。25日(金)の報告会で公表を予定する。
各事業者への支援も継続して進め、さらなる販路の開拓、拡大に努めていきたいとしている。