数量・金額とも本州一に、今季のサンマ漁/大船渡市魚市場

▲ 数量、金額とも本州一となったサンマ

計1万7379㌧水揚げ

 

 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は7日、平成29年・30年の対比サンマ水揚げ状況(12月31日現在、最終値)を発表した。大船渡市魚市場への水揚げは数量が1万7379㌧(前年比57%増)、金額は31億3231万円(同7%増)で、昨年に続いてともに本州1位を維持し、北海道の花咲港に次ぐ全国2位となった。
 全さんまによると、同日現在での全国の総水揚げ数量は11万9930㌧で前年比55%増。金額は225億2515万円で同5%増で、平成に入ってからは最低数量となった29年を大きく上回った。
 県内は累計数量2万4038㌧で同73%増、金額は43億5771万円で同19%増で、大船渡や宮古、釜石など各港とも前年と比べて数量が大幅に増加している。
 このうち、県内への水揚げ数量の7割以上を占める大船渡への水揚げ数量は不漁に見舞われた27~29年を大きく上回って復調傾向に。平均単価は同32%減の10㌔当たり2632円となった。
 全さんまによると、大船渡へのサンマ水揚げ数量は震災前の平成20年が3万400㌧、21年が2万8995㌧、22年が2万1687㌧。
 震災で魚市場も大きな被害を受けた23年は1万8438㌧、翌24年は2万385㌧となり、25年は1万4585㌧に落ち込んだが、26年は2万7133㌧と持ち直した。
 しかし、27年は1万3684㌧、28年は1万3845㌧と低迷。全国の累計数量が記録的不漁だった昭和44年以来、半世紀ぶりの低水準、平成に入ってからは最低となった29年は、1万1088㌧と3年連続で不漁に見舞われた。
 今年の大船渡へのサンマ初水揚げは8月25日で、9月1日までは好調に水揚げが続いたが、不安定な漁況、海況に見舞われて2週間ほど水揚げが途切れた期間もあった。
 サンマが再び姿を見せ始めた9月中旬以降は水揚げが続き、結果、不漁の過去3年を上回る実績となった。