道の駅さんりく売上や来館者数伸びる、トイレ改築効果大きく/大船渡

▲ 昨年6月に改築されたトイレ

 昨年6月に新たなトイレの供用が開始された大船渡市三陸町の道の駅さんりく。気仙沼・釜石市間で三陸沿岸道路インターチェンジ(IC)付近にある唯一の休憩施設であり、新たなトイレの整備で利用者増が期待されていたが、同駅の平成30年度1〜3四半期(4〜12月)は来館者数、売り上げとも前年同期を上回ったことが分かった。同駅の指定管理者である三陸ふるさと振興㈱(中井昭樹代表取締役社長)では、トイレに加えた新たな魅力づくりに取り組んでいく。
 道の駅さんりくは、三陸ふるさと物産センターと三陸パーキングで構成。同センターでは物産売店のほか、鮮魚販売、ファストフード、食堂を展開している。
 同社によると、30年度は悪天候に見舞われたゴールデンウイークこそ売り上げが伸び悩んだものの、トイレ完成後の盆や年末は来館者数、売り上げともに伸長。1〜3四半期の来館者数は前年同期比約6%増となり、売り上げも900万円ほど増加したという。
 部門別では、ファストフードが前年同期比約20%増、食堂が同約15%増と売り上げを伸ばした。ファストフードは、夏場の好天や、割高なソフトクリームの販売が好調だったことが挙げられるという。食堂は、原料高に対応して値上げに踏み切ったことや、客足の伸びが売り上げ増につながったとみられる。
 鮮魚コーナーは、貝毒によるホタテの出荷停止や、ウニとアワビの不漁のあおりを受けて苦戦を強いられたものの、前年同期比で微増となった。
 来館者増の大きな要因となったトイレは、平成5年に建てられた既存のトイレの老朽化を受けて改築されたもので、多くの行楽客が利用している。
 また、トイレ完成後は、JAおおふなと三陸支店と越喜来漁業協同組合による即売会や、福祉施設が製造している商品の店頭販売など、さまざまなイベントが催されたことも奏功したとみられる。
 同社の佐藤悦郎常務取締役は「三陸沿岸道路の近くにできた新しいトイレというのは、集客効果が大きかったのではないか。本年度中に(三陸沿岸道路が)釜石道とつながるので、その対策が必要。市民への還元イベントを企画するなど、積極的な展開を考えていきたい」と話している。