改良進む野々田交差点、右折レーンを設置 一部除いて年度内完成/大船渡
平成31年1月10日付 1面

大船渡市大船渡町の加茂神社付近の国道45号「野々田交差点」では現在、三陸国道事務所による交差点改良工事が行われている。右折レーンを設けてスムーズな通行を確保するとともに、追突事故を減少させようと改良しているもので、現在は交差点の南北両側で道路の拡幅工事が進む。本年度内には交差点部分の工事が完了する見通しで、通勤時間帯などの渋滞解消にも期待がかかる。
国道45号 事故減少、渋滞解消へ
国道45号から中心市街地へのアクセスなど、重要な役割を果たしている野々田交差点。現在、右折部分がやや広くなってはいるものの、適切な「右折レーン」がなく、陸前高田方面から北進する下り車線に右折する大型車両が停止している場合には、直進車両が通り抜けできない状態となっている。
事故の多い場所でもあり、平成20〜29年の10年間で8件の事故が発生し、うち3件は下り車線での右折車両への追突だった。
震災前は道路沿いに店舗や住居が立ち並んでいたために拡幅工事を実施できなかったが、現在は大船渡市による土地区画整理事業が行われており、交差点南側は同事業区域内へと道路を拡幅。北側も用地買収を行い、約80㍍にわたって拡幅する。
改良工事は30年5月に着手。事業費は約2億5000万円で、工事は㈱佐藤渡辺東北支店が施工している。
工事区間は南北合わせて300㍍。このうち、交差点の改良では、南北両側に幅3㍍の右折レーンを設ける。レーンの長さは、中心市街地方面に向かう右折車が多い南側が60㍍。北側は右折車両が少ないことから、17・4㍍に設定されている。
工事は現在、7割ほど完了。南側は拡幅部分の道路舗装、北側は排水の側溝を入れ替える工事などが進められており、交差点部分については本年度内に完了する見込み。
改良後は、追突事故の減少に加えて、大型車両が右折する場合でもスムーズに直進できることから渋滞解消などの効果も期待される。
同交差点周辺の交通量は、震災前の22年が1日平均約1万5000台だったが、震災後の27年は復興工事などの影響もあって同約1万8200台と大幅に増加している。
JR大船渡駅前など中心市街地の整備も進んでいることから今後、交差点南側からの右折車両の増加が見込まれている。
三陸国道事務所大船渡維持出張所の佐藤正所長は「(野々田交差点は)大船渡の新しい中心市街地への玄関口。安全が確保されて渋滞も解消できるようになるので、地元の方はもちろん、大船渡を訪れる方々にも安心安全を提供できるよう、一日も早く完成させたい」と話している。
交差点周辺では今後も工事が続いていくため、同事務所では安全運転を呼びかけている。