地域活性化へ連携強化を、若手農業者が新組織設立/陸前高田

▲ 「陸前高田 食と農の森」を立ち上げた農業者ら
▲ 設立総会後、講演した門間氏

 陸前高田市の若手農業者でつくる「陸前高田 食と農の森」の設立総会は16日、米崎町の市総合営農指導センターで開かれた。農業者間で連携を強化し、互いに研さんを積むとともに、異業種とのつながりを築いて農業から同市の「食」を盛り上げていこうと、関係者が決意を新たにした。
 同グループは農業の持続的発展、地域活性化を目指して旗揚げしたもの。45歳以下の農業者8人で構成し、大半は東日本大震災後に新規就農した。
 総会には、会員や市、県、大船渡市農協、岩手大学などの関係者ら約20人が出席。
 議事では、組織の規約や平成31年度の事業計画、収支予算などについて協議し、原案通り承認・可決。役員も決め、会長には松田俊一さん(34)=横田町=を互選した。
 終了後は記念講演があり、約40人が参加。東京農業大名誉教授の門間敏幸氏(69)=盛岡市=が講師を務め、「三陸型園芸産地をどう作るか」をテーマに講演した。
 門間氏は、5~15年後の陸前高田市のコメ農家数の予測値や園芸作物の作付け面積に触れつつ、先端技術を取り入れる全国の農業者の栽培法や農作物の付加価値向上に励む東北被災地での事例などを紹介した。
 また、農業経営を発展させていくための実践的戦略計画、全国の起業者のビジネス哲学を示し、「広い視野と自由な発想でさまざまなことにトライしてほしい。ただし事業に失敗しないために緻密な計算も忘れないで」と呼びかけた。
 講演後にはワークショップも行われ、出席者が聴講した講演の中身を踏まえ、今後の農業のあり方を探った。
 同グループは今後、同市で行われるイベントへの出店、勉強会・研修会などを手がけ、異業種とのネットワーク構築も図っていく。
 副会長に就いた野菜農家の佐々木輝昭さん(34)=横田町=は「いろいろな作物を栽培する人と情報交換しながら自分の経営に生かしていきたい。農業以外の人とのつながりも生まれれば」と話す。
 役員は次の通り。
 ▽会長=松田俊一▽副会長=佐々木輝昭▽事務局長=松本玄太▽会計=菊地康智
 ▽監査=村上勝義▽事務局=太田祐樹、安生亮太、杉山大樹