阪神淡路大震災から丸24年、伝承館の「希望の灯り」前で黙とう/陸前高田(別写真あり)

▲ 武藏館長が「3・11希望の灯り」から種火を移した

 平成7年の阪神淡路大震災の発生から、17日で丸24年となった。陸前高田市小友町の気仙大工左官伝承館(武藏裕子館長)には、同日早朝から地域住民らが訪れ、大震災発生時刻である午前5時46分に復興モニュメント「3・11希望の灯り」の前で黙とう。この日の夕方には、東京都千代田区の日比谷公園でも神戸市の人々によって追悼行事が開かれ、武藏館長(58)が同館から東京会場まで運んだ「希望の灯り」の種火が、「1・17希望の灯り」の火と合わせてともされた。

 

東京での追悼行事に分灯も

 

 平成23年12月、神戸市の東遊園地にある追悼と復興祈念のガス灯「1・17希望の灯り」から分灯を受けて設置されたモニュメントがある同館では、24年から毎年この日、阪神淡路大震災の発災時刻に合わせて黙とうをささげている。この日も、東日本大震災後に絶大な支援を寄せてくれた兵庫の人々に思いを届けようと、午前5時過ぎからおよそ20人の地域住民らが訪れた。
 希望の灯りの前に火をともした竹とうろうと供花が、背後に陸前高田・神戸両市の市章が飾られた中、武藏館長と参加者が5時46分の時報に合わせ、およそ1分間にわたり黙とうをささげた。
 米崎町の金野廣悦さん(69)は、「24年前、テレビで見た光景が忘れられない。東日本大震災後、仮設住宅でも西宮市の方々などに大変お世話になったこともあり、ほとんど毎年この日は伝承館に来るようにしている。3年前には夫婦で神戸も訪れ、(人と未来)防災センターやメリケン波止場も見てきた。改めて、阪神淡路での犠牲と教訓の上にわれわれの命があるのだと思った」と話し、静かに手を合わせた。
 また、毎年1月17日に神戸市の東遊園地で開かれる阪神淡路大震災の追悼行事「1・17のつどい」の実行委員会は今年初めて、東京会場を開設。伝承館への分灯を担った同市のNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」の藤本真一代表理事(34)が実行委員長も務めている縁から、武藏館長も東京へ駆けつけた。
 東京会場では、東遊園地と同館、東西二つの「希望の灯り」から運ばれた種火が合わせて点灯され、関東在住の被災者らの思いに耳を傾けたり、阪神淡路を経験していない人との気持ちの共有を図る場とした。
 武藏館長は5時46分の黙とう後、ランタンに火を移し「一人一人に『災害は人ごとじゃない』と思ってほしい。震災のあとどうやって乗り越えてきたか、どのように教訓を伝えてきたのかを示してくれる神戸の人たちの〝後ろ姿〟を追いながら、『東北の私たちも頑張っているよ』という姿をお見せし、会場では陸前高田のことも伝えたい」と話していた。