市役所の捜索 深夜まで、簡水事業巡る贈収賄事件/大船渡

▲ 押収した資料が入った段ボール箱を大船渡市役所から運び出す捜査員ら(17日午後11時45分)

容疑者2人は地検に送致

 

 大船渡市が発注した簡易水道事業の業務委託を巡り、17日に市職員ら2人が逮捕された贈収賄事件で、県警捜査第二課と大船渡警察署は同日夜、同市役所などを家宅捜索し、関係資料を押収した。18日午前には、収賄容疑で逮捕した市職員と贈賄容疑で逮捕した会社役員の身柄を盛岡地方検察庁に送致。経緯を詳しく調べる方針だ。
 逮捕されたのは、同市赤崎町字蛸ノ浦24、市都市整備部簡易水道事業所技監・亘理義政容疑者(56)と、同市猪川町字冨岡115の1、㈱佐々忠代表取締役・佐々木秀光容疑者(51)。
 警察によると、亘理容疑者は昨年市が発注した浄水場の道路修繕など3件の業務委託を㈱佐々忠に受注させた見返りに、佐々木容疑者から謝礼として現金約30万円を受け取った疑いがもたれている。
 捜査二課と同署は17日、市役所や亘理容疑者の自宅、㈱佐々忠の事務所などで家宅捜索を実施した。
 このうち、亘理容疑者が勤務していた市役所では午後7時過ぎ、捜査員約30人が捜索を開始。市職員の立ち会いのもと、簡易水道事業所、総務課、財政課で契約書など関係資料を調査した。捜索は、およそ4時間半にわたって行われ、同11時30分過ぎ、捜査員らが押収した資料を入れた段ボール箱30個超を次々とトラックに運び込んだ。
 家宅捜索から一夜明けた18日、市は臨時庁議を開き、戸田公明市長が幹部職員らに再発防止に向けた仕組みの構築などを指示。庁内の職員らは「淡々と業務を行うだけ」「市民の信頼を裏切る形になって申し訳ない。気を引き締めて(業務に)取り組んでいく」などと話していた。