世代超えて気軽に交流、地域住民招き「かたらっせん」/住田高内の学び場で

▲ 生徒たちと交流を深めた小向さん㊨

 住田町教育委員会が県立住田高校(鈴木広樹校長、生徒87人)の研修会館内に開設している「放課後の学び場」で22日、人生の〝先輩〟である地域住民から話を聞く初の「かたらっせん」が開かれた。生徒たちはくつろぎやすい空間の中で、社会人としてのやりがいや苦労、家庭を持つ喜びなどを聞き取りながら、交流を深めた。
 住田高校内の放課後の学び場は、昨年10月15日から利用がスタート。月〜木曜日を中心に、授業後の午後4時から開設しており、自学自習スペースに加え、くつろぎながら生徒やスタッフらと談笑できる部屋も設けている。
 町教委では、さまざまな分野で活動する地域住民に自らの経験談や社会人として生きるうえでのアドバイスを送ってもらいながら、利用する生徒たちと交流を深めてもらおうと初めて企画。今回は、世田米在住で大船渡市立根町のセカンドストリートドキドキ大船渡店に勤務する小向裕之さん(36)を招いた。
 小向さんは大船渡工業高校出身で、千葉県での社会人生活を経てUターン。自らの半生をまとめた人生グラフを示しながら、転職を重ねた中で何を大切にしてきたかなどを語った。
 この日は2回に分けて行われ、生徒計10人余りが参加。小向さんは、3年生が多かった前半には接客時のコツなど社会人としての心構えなどを伝え、2年生と対話を重ねた後半は、進学や結婚などによる環境変化などが話題にのぼった。
 人生グラフは、生徒自身も小中学生時代を振り返りながら記入。小向さんは「書くことで、自分が何に重きを置いてきたかが分かる」などと語りかけ、生徒たちの部活動に込める思いや、進路希望なども引き出していった。
 「かたらっせん」は、今後も継続的に開催する方針。小向さんは「この場所は、お互いにリラックスできる空間だったので、自然体で話ができたと思う。世代を超えた交流ができ、自分自身も楽しめた」と話していた。