趣向凝らしたアイデア示す、ビジネスプランコンテスト/大船渡

▲ 大船渡の資源などを活用したビジネスプランを発表

 「大船渡ビジネスプランコンテスト2018」の最終審査会と表彰式は27日、大船渡市盛町のリアスホールで開かれた。最終審査会には、1次審査を通過した3部門の10組が進出し、プレゼンテーションを展開。豊かな地域資源を活用し、多様な課題の解決や大船渡、気仙の活性化に向けた事業計画を示した。趣向を凝らした発表の数々から審査の結果、各賞が決まり、受賞者らは審査の結果や来場者の反応を参考に、プランの実現を目指そうと気持ちを新たにした。

 

地域資源生かし活性化、3部門10件が発表

 

 コンテストは、市や大船渡商工会議所、岩手大学などの6者で構成する実行委員会(委員長・戸田公明市長)が主催。起業や新たな事業展開に対する意欲の向上などを目的に、平成27年度から開催しており、本年度で4回目を数えた。
 今回は、ビジネス、ドリーム・一般、同・学生の3部門に合計32件が応募。この中から、ビジネスとドリーム・一般が1件ずつ、同・学生8件が1次審査を通過し、最終審査会に臨んだ。
 審査会と表彰式には、発表者や関係者、市民ら約130人が出席。開会行事後、部門ごとに発表を行った。
 このうち、学生の部には、地元高校生や復興ボランティアなどをきっかけに大船渡との縁が生まれた大学生らがエントリー。市花・ツバキやワカメ、気仙川のアユ、ウニ殻、防潮堤などを貴重な資源として見つめ、商品開発やイベントなどへの活用を提案。試食や寸劇を取り入れたり、実現に向けて会場に支援の呼び掛けを図るなど、審査員や観覧者に印象を与える工夫を凝らした発表もあった。
 今年は新たな試みとして、観覧者に「いいね」と「びっくり」を表す顔文字のシートを配布。発表ごとにシートを掲げてもらうことでプランを評価し、発表者一人一人の頑張りをたたえた。
 審査の結果、最優秀賞はドリーム・学生のうち、高校生が大船渡東高校ツバキ利活用研究班の「高校生が奮闘、高齢化社会に向けた高付加価値商品開発〜椿と鮎〜」に、大学生が相模女子大学復興支援学生ボランティア委員会の「Full of Camellia〜椿茶スイーツから椿の里を再構築〜」に決定。
 ツバキ利活用研究班は、気仙3市町を流れる川に泳ぐ高級魚・アユと、椿茶製造時に廃棄されるツバキの枝を利活用した薫製商品の開発、今後の展望を発表。復興のその先を見据えた新たな地域振興のモデルを目指していく決意を示した。
 代表の花輪美月さん(2年)は、「受賞によって、先輩方の思いをつなげたと思う。協力企業の方々に気づかないところや分からないところを教えていただき、最優秀賞に選ばれた。椿を活用した新たな商品を作っていきたい」と笑顔をみせた。
 相模女子大は、復興支援活動の過程からツバキの利活用を検討。椿茶を活用したローカロリーの菓子を開発し、販売、普及を通じて椿の里・大船渡の再構築に取り組んでいきたいとした。
 代表の市村陽路子さん(4年)は「受賞はびっくり。これまでの椿プロジェクト活動があってこそのものであり、先輩方からの活動が評価され、うれしい。引き継ぐ後輩たちにとっても活力になる。今後も継続していきたい」と話していた。
 全部門から選出する特別賞には、ツバキ利活用研究班と、高田高校・加藤菜々子さん(2年)の「JAPAN昭和TOWN」が選ばれた。
 終了後には、初の交流会も開催。参加者らは互いに刺激を受け、それぞれの立場から地域活性化に力を尽くしていくと誓い合った。
 各部門の受賞者は次の通り。
 ◇ドリーム・一般▽奨励賞=昆野世宙(㈱AZクリエイト)
 ◇同・学生(高校生)▽最優秀賞=大船渡東高校ツバキ利活用研究班▽優秀賞=大船渡高校Next T▽奨励賞=大船渡高校・大船渡東高校シーウィーバル、加藤菜々子(高田2年)、大船渡高校C─col
 ◇同・学生(大学生)▽最優秀賞=相模女子大学復興支援学生ボランティア委員会▽優秀賞=岩手大学工房彩縁▽奨励賞=遠藤春香(岩手県立大学3年)
 ◇ビジネス▽優秀賞=菊地尊(㈱大船渡の菊地工務店)
 ◇特別賞=大船渡東高校ツバキ利活用研究班、加藤菜々子