合格目指して技術習得、さんま焼き師認定試験/大船渡(別写真あり)
平成31年1月31日付 7面

大船渡市観光物産協会(齊藤俊明会長)による「さんま焼き師認定試験」は30日、盛町の市民体育館で行われた。市内外から25人が受験し、実技講習などを通じて炭火によるサンマ焼きの技術を習得。大船渡のサンマのおいしさ、水産のまちの魅力も確認しながら、合格を目指した。
おいしさや魅力も確認
市内外から25人受験
試験は、全国に向けて「水産のまち大船渡」「さんまのまち大船渡」を情報発信することなどを目的に、平成28年度から実施。これまで通算6回開かれており、合格した全国の340人が「さんま焼き師」に認定され、市内外で活躍している。
冬場の試験は、市内の観光、飲食、宿泊業者らに観光客への対応充実を図ってもらおうと、昨年に続く2回目の開催。市内を中心に、県外は東京都、長野県などから参加があり、アメリカや台湾出身の外国人3人も受験した。
講師は、28年に「さんま焼き師師範」の第1号認定を受けた大船渡商工会議所職員の田端隆志さん(59)。田端さんは受験者に対し、「サンマを焼くイベントはほかでもやっているが、さんま焼き師試験を行っているのは大船渡だけ。漁師がとったサンマをおいしく焼き、お客さんに味わってもらえるよう身に付けてほしい」と呼びかけた。
前半の実技講習では、受験者らが道具の準備、火おこし、サンマの焼き方、提供までを実践。田端さんはサンマ焼きに必要な一定の火力を維持するための炭の配置、こんがりきつね色に焼くためのコツ、皿に載せるときの頭の位置などを丁寧にアドバイスした。
受験者らは〝大船渡流〟のサンマ焼き技術を体で覚え、自ら焼いたサンマを試食。炭火焼きならではのおいしさも確認した。
東京都から受験した寺田肇さん(46)は、浅草で飲食店を経営。「最初は火加減が難しくて失敗したが、焼き上がったサンマはおいしかった。焼き師に合格したら、店の前にさんま焼き師ののぼりを掲げたい。浅草でもサンマのイベントが実施できれば、面白いと思う」と語った。
大船渡東高校2年の柳下歩夢君(17)は、市内の高校生では初めての受験者。「将来、調理師を目指していて、その役に立つかなと思って受験した。普通に焼くのではなく、見た目を重視してお客さんに提供しようとするプロの焼き方が学べてよかった。いい勉強になった」と笑顔をみせていた。
この日は実技講習後、事前研修を挟んで筆記試験も実施。受験者らはサンマ焼きや大船渡の水産などに関する設問に答え、合格を目指した。
主催者によると、合否は受験者全員に対して2月中に通知する計画。また、冬の実施は今回で終了とする計画という。