国道340号が待望の完全2車線に、暫定供用がスタート/住田町

▲ 完全2車線の新ルート(右側)が供用開始を迎えた住田フーズ付近

 住田町世田米を通る一般国道340号の住田フーズ付近~火石交差点の約800㍍区間で31日、県大船渡土木センターが整備を進めてきた新ルートの暫定供用が始まった。同区間は気仙の国道では唯一、センターラインがない1車線道路だったが、バイパス化で解消。物流円滑化や歩行者安全確保・観光振興など、多方面での整備効果が期待される。引き続き行われる火石交差点部分などの改良工事は、年度内完了を予定している。

 

住田フーズ付近からの800㍍が新ルート切り替え

 

 陸前高田市から続く町内の国道340号は、盛岡市をはじめ内陸部につながる重要な路線である半面、センターラインが引かれておらず、大型車のすれ違いが困難だった。沿線には住宅や事業所が立地し通行量が多く、歩行者の安全対策の面からも改良が求められていた。
 東日本大震災以降、被災地を結ぶ路線として重要性が高まり、陸前高田、住田両市町は早期整備の要望活動を展開。県は復興支援道路に位置づけ、全長約2・7㌔の山谷工区として平成24年度に事業着手し、27年度から工事を本格化させた。
 昨年12月までに、田ノ上橋~住田フーズ付近の約1・9㌔では、かさ上げ・拡幅整備が終了。住田フーズ付近~火石交差点は、かつて町が整備した木造仮設住宅・火石団地敷地内などを通るルートでの新設工事などが順調に進み、暫定供用にこぎ着けた。車道と路肩に加え、片側には2・5㍍の歩道も整備された。

火石交差点付近では引き続き改良工事を予定

 同日は午前10時から新ルートに切り替わり、陸前高田市側から走行したドライバーは、走りやすさを実感。一方、国道107号などと接続する火石交差点では、新ルートへの進入に慣れず、慎重に走行する姿も見られた。
 供用開始を見守った県大船渡土木センターの乙部智明所長は「本年度、気仙管内の県道路工事で供用開始を迎えた唯一の新ルート。沿線には事業所や家庭も多く、スムーズな物流や歩行者の安全確保、観光振興など皆さんに役立つ道路となれば」と、期待を込めた。
 工区内では引き続き、火石交差点や歩道の各改良工事などが行われ、年度内の完了を予定。旧道から火石交差点への通り抜けはできなくなり、沿線住民の生活道路などとして活用される。