「遠野道路」3月開通、遠野IC─遠野住田IC間

物流効率化、復興加速へ

 

 国交省東北地方整備局岩手河川国道事務所は、震災の復興支援道路として整備を進めてきた東北横断自動車道釜石秋田線(延長約80㌔)のうち、遠野住田インターチェンジ(IC)─遠野ICをつなぐ「遠野道路」(延長11㌔)が3月3日(日)に開通すると発表した。これによって花巻市と釜石市がつながることとなり、物流効率化などによる沿岸部の復興加速にも期待がかかる。
 同線は、花巻市と釜石市を結ぶ道路。これまで、平成14年度に東和IC─花巻ジャンクション(JCT)間(延長11・4㌔)、18年度に仙人峠道路(同18・4㌔)、24年度に宮守IC─東和IC間(同23・7㌔)、27年度に遠野IC─宮守IC間(同9㌔)が開通している。
 今回の遠野道路の開通によって、80㌔中74㌔が供用となり、釜石市から花巻市までが横軸で結ばれることとなる。残る釜石JCT(仮称)─(仮称)釜石西IC間(同6㌔)も本年度内に開通する見通し。
 同事務所によると、釜石港では東北横断道の開通やガントリークレーン整備などの港湾機能向上によってコンテナ取扱量が増加しているといい、遠野道路を含めた東北横断道の開通が復興を支える物流の効率化や地域産業の活性化を支援する。
 このほか、花巻空港の利用者が毎年増加しており、空港を有する花巻市や今回の開通区間である遠野市では外国人観光客が増加傾向にあることから、今回の開通による観光拠点へのアクセス向上によって広域周遊の拡大を支援する。
 遠野道路の開通により、釜石、花巻の両市役所間の所要時間は現在の96分から85分に短縮され、釜石秋田線の全線開通後はさらに5分短縮。同線の全線開通により、三陸沿岸道路から釜石JCT(仮称)経由での乗り入れも可能となり、気仙から県内陸部へのルート選択の幅も広がる。
 開通日決定の発表を受け、達増拓也知事は「内陸部においても企業の進出が増加して新たな雇用が期待されるなど、本県の本格復興を力強く後押しするものと確信している」とコメントを発表した。
 今回開通区間は別図の通り。