魅力・特徴ある学校を、高校再編計画で地域検討会議

▲ 県立高校再編計画をめぐり意見を交わす出席者

 県教委による「新たな県立高等学校再編計画」(平成28~37年度)の後期計画(33~37年度)策定に向けた、気仙ブロックの地域検討会議は7日、大船渡市猪川町の県大船渡地区合同庁舎で開かれた。生徒数の減少によって統合や規模縮小が進められている中、出席者からは縮小だけでなく、それぞれの特徴を前面に出した魅力ある学校づくりを求める意見が多く聞かれた。

 

 県内中学校卒業者は昭和38年度の4万369人をピークに減少を続け、本年度は1万1141人。36年度には約9800人と、1万人の大台を割る見通し。
 こうした生徒減などに対応すべく、学校・学科の配置も盛り込んだ県立高校再編計画は前期(28~32年度)と後期(33~37年度)で構成。
 同会議は、後期計画の具体化を前に、高校のあるべき姿や地域の実情に応じた配置などについて、地域の代表者らの意見を聞こうとのもの。昨年12月から県内9ブロックで開いている。
 この日は、戸田公明大船渡市長、戸羽太陸前高田市長、神田謙一住田町長をはじめ、各市町教育長、2市1町の商工団体やPTAなどの代表者14人が出席し、オブザーバーとして気仙地区内の高校長らも参加。県教委からは岩井昭教育次長らが臨み、高校や高校の状況にかかる報告に続き、「中山間地・沿岸部における今後の高校のあり方について」をテーマに意見交換した。
 前期計画で気仙では、大船渡は30年度に普通科1学級を減らし、大船渡東は31年度に機械と電気電子の計2学級を機械電気科として1学級にするとしており、この通りに進んでいる。高田は32年度に普通科1学級減の予定。住田など1学年1学級の小規模校については、「入学者数が2年連続で20人以下となった場合は、その翌年度から募集を停止し統合する」と定めている。
 前期計画終了時、気仙は4校計で13学級となるが、後期については、36年度の中学校卒業予定者が408人という見込みも踏まえ、県教委は現段階における考えとして「37年度の募集学級数は約11学級と見込まれ、多くの学校で定員割れすることが予想され、地域の産業振興方向等を見据えた学科再編なども想定している」と提示した。
 こうした見通しを受け、戸田大船渡市長は「少子化のテンポは速い。特殊出生率を上げる努力をしているが、生徒数によって統合等が進められれば、通学面など課題は多い」と語った。
 また、戸羽陸前高田市長は「ただ縮小していくだけでなく、その中に希望も見えるような計画にしてもらいたい」、神田住田町長は「生きる力をどう育むかが最大のテーマ。規模ある集団で生活する以外に、力をつける工夫の余地があるのではないか」と述べた。
 ほかの出席者も「ICT技術などの活用で、少人数でも充実した環境づくりができないか」「生徒数のみで規模を考えると受け取れるが、少ない人数で地域を支えることも視野に、戦略的要素を盛り込むべき」「数が少ないならば一人一人をどう育てるかという方向性を考えてもらいたい」など、縮小の一途ではなく人数が減る中ならではの工夫を求める声が聞かれた。
 県教委では今後、地域検討会議のほか一般向けの意見交換会、地域からの要請に応じた出前説明会なども予定。出された意見を踏まえて検討を重ねたうえ、32年度内の計画策定を目指している。