「里山の温もり」発展誓う、第44回東海社会文化賞顕彰式(別写真あり)

▲ 地道に活動を続ける馬越地区女性有志(右手前)と、すみた森の案内人の会が受賞

手打ちそばで真心発信/馬越地区女性有志
種山で多彩な交流創出/すみた森の案内人の会

 

 地域社会の各分野で地道な活動を続ける人々をたたえる第44回東海社会文化賞顕彰式(東海新報社・東海社会文化事業基金主催)は16日、陸前高田市高田町のキャピタルホテル1000で開かれた。今回は、篤信と郷土愛を胸に、閑董院の縁日に合わせてそばづくり活動を約20年続ける陸前高田市矢作町馬越地区の女性有志と、種山を中心に自然の魅力を伝えながら多彩な交流機会を創出する住田町の自然ガイド・すみた森の案内人の会が受賞。両団体の関係者は、温もりあふれる活動継続を誓った。

 

 馬越地区女性有志は、地元にある閑董院宥健尊師堂のお堂が開放される年3回の「縁日」に合わせ、手打ちそばで参拝客をもてなす。小集落の住民が手を取り合い、そばを通じて参拝者らと心を通わせ、「閑董院さま」と慕われ続ける地域のよりどころを支える。
 すみた森の案内人の会は、町の森の案内人講座修了者らで平成19年に発足。種山に「森の保育園」として訪れる子どもたちの活動や、一般世代による散策会などに同行。訪れた人々を楽しませるとともに、住田に愛着を持つ人々の交流の輪拡大にも貢献している。
 顕彰式には受賞者をはじめ、来賓ら合わせて40人が出席。基金代表を務める鈴木英彦東海新報社社長が、文化賞創設の経緯や両団体の活動を紹介し、今後の飛躍に期待を込めた。
 来賓を代表し、陸前高田商工会の伊東孝会長は「未来に残すべき宝物として、健康に留意しながらますますの活躍を」と祝辞。
 受賞者あいさつでは、馬越地区女性有志の菊池もと子代表(81)が登壇し、東日本大震災直後の縁日で矢作小校舎を拠点とした県外の警察官にも、そばを振る舞った思い出を紹介。「今は4人と少人数で自己流だが、何とか頑張っていきたい」と語った。
 また、案内人の会の吉田洋一会長(69)は官民の歯車が合った活動や町外会員の広がりといった近年の充実ぶりを振り返り、「森は知ることで好きになる。初心に帰り、これからも気仙の子どもたちを種山で存分に遊ばせたい」と述べた。
 東海社会文化賞は、東海新報社創立15周年を記念して昭和48年に創設し、気仙で名利を求めず社会に貢献した陰徳の個人・団体を顕彰。東日本大震災を受けて平成24、25の両年は見合わせたが26年に再開し、今回で受賞者数は71個人48団体となった。
 顕彰式出席者次の通り(東海社会文化事業基金関係者除く、敬称略)。
 【受賞者】
 ▽馬越地区女性有志=菊池もと子、菅野郁代、菅野恵子、佐々木いわ子
 ▽すみた森の案内人の会=吉田洋一、鈴木英司、村上薫、村井桂、伊藤将来、佐々木慶逸、佐々木喜之、佐々木義郎、越山晶子、菊池英夫、菊地康智、金野正史
 【来賓】
 米谷春夫(大船渡商工会議所副会頭)伊東孝(陸前高田商工会会長)千田明夫(住田町商工会会長)鈴木敏彦(大船渡ロータリークラブ会長)木下彰則(大船渡西ロータリークラブ副会長)崎山陽一(大船渡ライオンズクラブ会長)田代喜三(大船渡五葉ライオンズクラブ会長)田村福子(国際ソロプチミスト会長)佐々木康樹(陸前高田ロータリークラブ副会長)熊谷千洋(陸前高田ライオンズクラブ会長)菅野浩正(住田ライオンズクラブ会長)