正式名称は「夢海(ゆめみ)公園」に、木之内さん(千葉県)考案/大船渡

▲ 今春オープンを予定する新公園の名称は「夢海公園」に

今春オープン予定  

 

 大船渡市は21日、大船渡町の大船渡駅周辺地区内で整備を行っている新公園の名称を発表した。公募で市内外から寄せられた77点の中から審査を行った結果、千葉県千葉市在住の木之内美奈さんが考案した「夢海(ゆめみ)公園」に決定。公園は本年度末の完成、4月以降の供用開始を予定している。市は木之内さんに賞状と副賞を贈る。
 市は東日本大震災で甚大な被害を受けた大船渡駅周辺地区において、土地区画整理事業(対象面積33・8㌶)による復興まちづくりを進めている。
 同事業では、須崎川河口付近の左岸側に新公園(面積9484・89平方㍍)を整備。平成28年度の市民ワークショップを経て、29年度に基本設計と詳細設計を行い、30年度に着工した。
 コンセプトは、「彩りと仕掛けに満ちた、まち・川・海を繋げる公園」。勾配を付けた芝生広場をはじめ、園路、あずまや、トイレ、遊具、バーベキュー用の広場、駐車場などを配置し、市が震災遺構と位置付ける茶茶丸パーク時計塔も移設された。
 遊具広場には、昨年10月に東京都のNPO法人プレイグラウンド・オブ・ホープと、静岡県のジヤトコ㈱が寄贈、設置した大型遊具のほか、大型アスレチック遊具・ザイルクライミングとすべり台(モーグルヒル)、幼児向けのスプリング遊具(4基)が設けられる。
 公園名について、市はこれまで便宜上、(仮称)大船渡公園として取り扱ってきた。本年度中の完成に向けて整備が進む中、市民をはじめ多くの人々から親しまれ、利用されるようにと正式名称を公募。11月の1カ月間にわたって募ったところ、市内外の幅広い世代から77点の応募があった。
 「夢海公園」を考案した木之内さんは28年、JR大船渡線などを乗り継いで盛岡まで旅行。その際、BRTから沿岸部のまちを見つめ、「〝海と寄り添ってきた人々が海と遠くなってしまった〟ように見えた」と思い、新しい公園に〝夢海〟と命名。「海を近くに感じ、夢を持てるような公園になってほしい」との願いを込めたという。
 市によると、選定理由は①大船渡の象徴である海をイメージできる②復興に託す夢や、三陸の豊かな海とともに発展してきた街を表現できる③画一的な名称でなく、大船渡らしさを表現することができる──の3点。木之内さんには後日、賞状と副賞が贈呈される。
 夢海公園の整備は、これまでに園路の舗装をはじめ、トイレやあずまや、遊具など主な設備の設置などが完了。年度内には工事を終える見込みで、4月末ごろの一般供用開始を計画する。
 戸田公明市長は名称決定にあたり、「海とともに生きる、港湾とともに生きるまちを表現する名称になった。多くの方々に楽しんでいただける公園になってほしい」と話している。