役場前に停留所新設へ、地域公共交通会議で了承/住田

▲ コミュニティバスの新停留所が設置される見込みとなった住田町役場前

コミュバスで4月から

 住田町地域公共交通会議(会長・横澤孝副町長、委員15人)は25日、役場町民ホールで開かれた。町のコミュニティバス運行について協議し、4月1日(月)から町役場に新たな停留所を設ける方針案を了承。下有住の火の土、新切などから世田米の県立大船渡病院附属地域診療センターを結ぶ直通路線も運行する。
 同会議は、交通事業者や地域団体、関係行政機関の代表者らで構成。この日は委員全員と町担当職員が出席し、横澤副町長が「マイカー時代となって久しく、少子高齢化や人口減少も続き、地域公共交通利用者は減っている。地域の皆さんから意見を聞き、公共交通を守りたい」とあいさつした。
 協議では、町コミュニティバス(川口上有住駅線)の運行計画案を審議。4月1日のダイヤ改正を目指しており、▽住田町役場前の停留所の設置▽下有住地区(火の土・新切など)から地域診療センターまで乗り継ぎなしで利用できる直通バス▽現在は一部で土曜日運行をしていたダイヤの見直しに伴う土日祝日の運休──をいずれも原案通り承認した。
 役場前の停留所設置は、平成26年に現庁舎利用が始まって以降、住民から多く寄せられていた要望の一つ。現在、最寄りのバス停留所が気仙川の対岸に位置する「世田米駅」で、高齢者が降車後に徒歩で訪れる際の負担が指摘されていた。また、一昨年秋には、有住支店と統合した農協世田米支店が役場前に新築移転した。
 上りの場合、現在運行している路線の終点は診療センターまでだが、ダイヤ改正では国道107号などを経由して役場前まで延長。新停留所は、役場前駐車場内の設置を検討している。
 下有住地区から診療センターまでの直通路線は、昨年度に上有住の民間医科診療所が閉院したことに伴うもの。高齢者らの「通院の足」としての機能を充実させる。診療所は土曜日も開院していたが、診療センターは平日診療のため、土・日曜日・祝日のダイヤも見直す。
 町によると、川口上有住線の29年度利用者は1万3130人で、前年度比2233人減少。診療所閉院の要因が大きいという。
 今月中に運輸局に変更申請を行い、3月から周知を計画。4月1日から新停留所で乗降できる路線の運行を始める。改正ダイヤでは、これまで保育園児が通園に利用していた便を見直すなどして、上下線とも従来の1日9便から8便体制とする。
 協議ではこのほか、陸前高田住田線・高田高校前の停留所位置を変更する案も確認。周辺の道路整備に対応し、現状よりも同校や総合交流センターに近い位置に移設される。