「プレミアム料理」を堪能、ランチとディナーで/大船渡・さかなグルメ実行委

▲ 地元食材をふんだんに使った「プレミアム料理」を提供

前菜には岩手がも、サンマ、ドンコ、イサダなどを使用

 大船渡市のさかなグルメのまち大船渡実行委員会(及川廣章委員長)による「大船渡のプレミアム料理フルコース〜海・山からの贈り物を使って〜」は26日、大船渡町の三陸おさかなファクトリーで開かれた。一流料理人がサンマやイサダ、南部どり、クルミなどの地元食材をふんだんに使ったコース料理を提供。参加者らは地元食材の可能性を広げるプレミアム料理を堪能し、三陸の幸の魅力を再確認した。

 

地元食材の可能性広げる

 

 同実行委では平成28年度から、大船渡が本州一の水揚げを誇るサンマをテーマにしたまちづくりを展開。この中では、サンマを使った大船渡のグルメ開発にも取り組んでいる。
 プレミアム料理の企画は、29年度に続く2回目。普段、地元では食べられない調理法による地元食材を使った料理を市民が味わえる機会を創出し、地元食材のおいしさ、高付加価値化の可能性や潜在能力を再認識し、消費拡大、魅力発信につなげようと行った。
 シェフを務めたのは前回に続いて、福岡県福岡市のジビエ専門レストラン「情熱の千鳥足 カルネ」の料理長・小野貴史さん(48)。小野さんは本年度、同実行委による「さんまグルメ開発」にも携わっている。
 食事会は昼と夜の2回開かれ、市民や実行委関係者ら合わせて約60人が参加。厨房では、市内飲食店のスタッフらが小野さんのサポートにあたった。
 このうち、昼の部では及川委員長が「料理を味わってアンケートに答えていただき、今後のグルメ作りに役立てたい」とあいさつ。戸田公明市長も「さかなグルメの取り組みが交流人口の拡大、地域振興につながれば」と期待を込めた。
 その後、ランチコースとして前菜、パスタ、魚料理、肉料理、デザートの順に料理を提供。いずれも盛り付けや色合いにも工夫を凝らした、見た目も美しいメニューが並び、参加者らを喜ばせた。
 前菜「まるごと三陸の春」は、岩手がものロースト、ドンコのカルパッチョ、サンマのスモーク、イサダの風味を味わえるエビパンの4品を盛り合わせた。サンマはパスタの具にも利用。肉料理では、南部どりと高級食材のフォアグラ、トリュフを組み合わせ、ぜいたくな一品に仕上げた。
 小野さんが「大船渡らしいものにした」と語ったデザートには、地元産のクルミ入りタルトをはじめ、細かく切ったゆべしを入れたチョコレートムース、あんことクリームチーズを合わせた干し柿の3品を用意。参加者らは「アイデア次第でこんな料理になるなんて」などと話し、地元食材の新たなおいしさを再発見した。
 大船渡町の佐藤照之さん(42)は「ゆべしのもちもち感がたまらないチョコレートムースに感動した。今度はぜひ、地元食材によるジビエ料理も紹介してほしい。機会があれば、また参加したい」と話し、笑顔。
 小野さんは「市民の方々に、地元の食材がこんな風に変わると知ってもらえれば」と話していた。