「走る広告塔」に新顔登場、㈲大國物流が謙治さんの『盛川』PR/大船渡

▲ 新沼謙治さんの『盛川』や大船渡をアピールする大國物流の車両

 大船渡市赤崎町字諏訪前の運送会社・㈲大國物流(熊谷廣社長)はこのほど、同市出身歌手・新沼謙治さんがリリースした『盛川』をPRするペイントを自社トラックにほどこした。今月から本格運行することとしており、全国に三陸の海の幸を届けながら、「走る広告塔」として謙治さんやふるさと大船渡を発信する。

 

今月から本格運行スタート

 

 同社は昭和63年11月、仙台市出身でトラック運転手をしていた熊谷社長(67)が、得意先の多い大船渡で創業。北は北海道、南は九州まで、水産物をはじめとする三陸の幸を届けている。
 大船渡や三陸をアピールする車両ペイントを始めたのは、同市出身の歌手・大沢桃子さんのデビュー曲『娘炎節(じょうえんぶし)』(平成10年)PRが皮切り。
 以降、本県沿岸の地図も添えながら大船渡の海の幸をアピールする車両や、取り引き先の商品をペイントした車両を走らせ続け、全国発信に一役買っている。
 新たに加わった今回のペイントは、昨年12月に市内で開いた創業30年記念イベント中、謙治さんがステージ出演した縁もあって実現させたもの。
 『盛川』は謙治さんが作詞・作曲を手がけ、昨年4月に日本コロムビアからリリースした。父親との魚釣り、送り盆の灯ろう流しなどの情景を歌い、郷愁を呼び起こす佳曲。
 15㌧車に、そのジャケット画像とともに、大きな文字で「三陸はうまいぞ!岩手三陸」「新沼謙治のふるさと大船渡」などと記した。
 今月から運行車両に加えることとしており、熊谷社長は「謙治さんと大船渡を背負った走る広告塔。常に安全運転の自覚を持って走ってもらいたい」と社員に呼びかける。
 同社は盛川に近く、東日本大震災では川をさかのぼった津波で社屋や車両が被災するも、全国各地の取り引き先などからの応援もあって再起を果たした。
 震災後は復興支援メッセージを表したトラックも走らせた。
 また、大船渡での救助・捜索や支援活動にあたった、陸上自衛隊第39普通科連隊(弘前)への感謝も示したいと、弘前駐屯地の創立記念日行事に毎年参加して大船渡産のサンマ炭火焼きを提供し、その収益全額を自衛隊青森県遺族会に贈るなどしている。
 「創業前の期間も含めれば、大船渡に来て35年。震災の前後ともたくさんの方々に支えられ、ここまでやってくることができた」と熊谷社長。「常に感謝の気持ちをもって、大船渡をもっと元気づけるため、できることを続けていきたい」と話している。