清流に活気 春の風物詩、待望の渓流釣り解禁/気仙川などで(別写真あり)

▲ 渓流釣りが解禁され、気仙川で久しぶりに竿の感触を楽しむ太公望

 県内の主要河川で1日、春の訪れを告げるヤマメやイワナなどの渓流釣りが解禁された。気仙川や盛川でも太公望が釣り糸を垂れ、心待ちにしていたシーズン到来の喜びを竿に込めた。気温が上昇する今月下旬以降の活気が期待される。

 

 この日の気仙地方は、穏やかな好天に恵まれた。大船渡の最低気温は氷点下0・9度(平年比1・0度高め)で、最高気温は11・1度(同4・8度)まで上昇。4月上旬並みの暖かさとなった。
 気仙川のうち、住田町上有住の神渡橋上流部では、盛岡市から訪れた大櫻睦さん(45)らが釣り糸を垂らした。「今年は、水量が少ないかな。気仙川は県内河川の中でも自然に近い状態の場所が多く、魚も状態がいい。環境の良さを実感できる」と話していた。
 さらに下流部の下有住では、川沿いに県外ナンバーの車両も。
 陸前高田市を流れる気仙川支流の生出川では、市内在住の釣り人から「水が冷たいから、まだこれからかな。でも3月1日は『おまつり』だから、お気に入りの場所で竿を伸ばすようにしている」といった声が聞かれた。
 川を囲む山肌や岸には雪がほとんど見られず、時間帯によっては春を実感できる暖かさも出てきた。例年は、さらに気温が上昇する3月下旬の彼岸明け以降、釣り人の姿が増えるという。
 気仙川漁協では「例年通りの人出で、十数匹を釣り上げた人もいたようだが、全体的には厳しい釣果だったようだ。水量増につながる雨が1、2回あれば期待できる。町外からの愛好者は近年、週末や祝日に合わせて訪れる傾向がある」としている。
 流域では資源確保を図り、川魚の宝庫とされる環境保持が進められてきた。同漁協は昨年、ヤマメ730㌔、イワナ130㌔分の稚魚を放流した。
 さらに、同6月には6㌢前後に育ったサクラマス約1万8000匹を放す試験が行われた。今年はヤマメ600㌔以上、イワナ100㌔以上の放流を計画している。