おさかなセンター解散へ 店舗は18日で閉店 25日の臨時株主総会で決議 大船渡
平成31年3月12日付 2面
大船渡市大船渡町の「おさかなセンター三陸」を運営してきた、㈱大船渡おさかなセンター(甘竹秀雄社長)が解散する見通しであることが11日、明らかになった。施設は平成4年の開業以来、地元の水産品などを販売し、観光拠点の一つとして親しまれてきたが、経営状況が厳しいことから18日(月)をもって閉店。同社は、25日(月)の臨時株主総会での決議を受けて解散となる。
11日に大船渡商工会議所で記者会見が行われ、同社の甘竹社長と村上富夫専務が出席。甘竹社長が同社設立から解散までの経緯を説明した。
それによると、オープンから数年間は市内外から観光客らが立ち寄り、ピーク時の8年度には4億6400万円を売り上げるなど、4億円超の売上高を確保。しかし、開業時期とバブル崩壊期が重なったこともあり、当初から事業計画通りの収益が確保できず、苦戦を強いられた。
三陸沿岸道路の延伸など交通環境の変化による影響なども受け、18年度の売上高は2億3000万円にまで減少。19年度には2億円を割り込み、29年度までは1億円前後で推移する厳しい経営状況が続いていた。
当初は22年度末で整理を行う方向で準備を進めていたが、東日本大震災が発生。高台にあった施設は食料品が購入できる店舗として重宝され、一時期は市内のスーパーが臨時店舗として利用した。復興支援ツアーなどにより、店舗利用客数が20万人近くに至る年もあった。
同社としても、民間企業の資金支援を受けるとともに、旅行会社等のエージェントへの営業強化で団体客の取り込みを図り、店舗レイアウトや品ぞろえの工夫、人員の効率的配置などを推進。経営努力を重ねてきたが、利益体質への改善はかなわず、30年3月期(29年4月1日~30年3月31日)の当期損失額は1372万円、累積損失額は2億7168万円に。初めて100万円の債務超過を計上した。
今期の売上高は6000万~7000万円程度の見通しで、累積損失額は2億8000万円超、1000万円超の債務超過を計上する見込み。同社では今後を考え、「事業を閉鎖せざるを得ない」という結論に達し、25日の臨時株主総会をもって解散することを決めた。
現在の従業員数は社員5人、パート2人で、パートは20日(水)付けで、社員は今月末で解雇となる。同社では、再就職先のあっせんなどを進めているという。
施設は解体し、跡地は売却する考え。清算やグループ補助金等の返却には、資本金のほか、跡地の売却費などを充てたいとしている。
施設内にテナントとして入っていたレストランは昨年11月末で閉店しており、かき小屋も営業を終了。店舗では18日まで「閉店セール」を行い、26年余りにわたる感謝を示すとしている。
甘竹社長は「解散は私の責任。公金の出資もある中でこうなってしまったのは痛感の至りであり、大変申し訳なく思っている。開業以来皆さまからのご支援、ご協力をいただいたことに心から感謝している」と述べた。
同社は、国の総合保養地域整備法(リゾート法)の制定や、県が平成元年に策定した「さんりく・リアス・リゾート構想」を受け、地元経済界で水産物を核とした誘客施設建設の機運が醸成されて3年に誕生。市と市内民間企業の48社・個人が共同出資し、資本金2億円(その後、さんりくリゾートとの合併で2億7000万円に変更)による第3セクターとして設立した。
設立後は、同町字砂子前の国道45号沿いに「おさかなセンター三陸」(鉄筋造1部2階建て)を整備し、翌年4月にオープン。土地の取得や建設には、3年度に始まった国庫補助事業「地域水産業活性化施設整備モデル事業」の第1号施設として1億5000万円の補助金を受け、さらに国からの借入金、資本金を合わせた約6億5000万円を充てた。
同社には市が3000万円を出資し、当時の市長が会社設立代表発起人を務めた。
戸田公明市長は「事業継続を断念し、会社を解散して清算する方向となったことは非常に残念だが、やむを得ないものと受け止めている。市としては同社の意向を尊重するとともに、今後の解散・清算に向けた事務手続き等を含め、関係者と連携して対処していきたい」とコメントした。






