三陸鉄道 リアス線開通まで一週間

▲ マイヤ大船渡インター店では三鉄の特別ブースを設けリアス線開通を応援

 盛─久慈区間をつなぐ三陸鉄道㈱(中村一郎社長、本社・宮古市)の新路線「リアス線」(全長163㌔)は、23日(土)に開通する。ローカル線の再出発が1週間後に迫る中、沿線の大船渡市内では、スーパーや飲食店が三鉄の関連商品を販売。マイレールを応援する地元住民らが、カウントダウンへの機運を盛り上げている。

 

関連商品で機運盛り上げ 23日の再出発に向け
大船渡市内のスーパーなど

 

 リアス線は、現行の南北両リアス線と、JRから三鉄に移管される山田線の釜石─宮古区間(55・4㌔)を1本化する鉄路。第三セクター鉄道の路線としては日本最長で、震災の津波被害で不通となっている同区間では8年ぶりの運転再開となる。
 三鉄では、公式サイトで特設ページ「リアス線開業カウントダウン」を毎日更新し、沿線の様子を掲載しているほか、関連する各種販促物、メディアなどを通じて新路線を広くPR。同社では運転士の増員、車両の新調などを行い、同区間での試運転も実施して、通常運行の日に向け万全の体制を整えている。
 県内では、東日本大震災の大津波で甚大な被害を受けながらも復旧を果たした三鉄を応援しようと、個人や団体、企業などがキャンペーンを催す動きが活発化している。
 日本郵便㈱東北支社では、リアス線の開通記念オリジナルフレーム切手を県内全郵便局(一部簡易郵便局は除く)で販売。気仙の各郵便局では、すでに品薄の店舗もある。
 南リアス線(盛─釜石)が通る大船渡市内では、立根町のスーパー・マイヤ大船渡インター店(米谷純店長)が、先月末から三鉄コラボ商品を置く特設ブースを店内に開設。
 現在置いている商品は、スーパーびはん(山田町)の「山田の醤油(しょうゆ)」(110㍉㍑)と、㈱ベアレン醸造所(盛岡市)のクラシックケラー「三鉄リアス線開通記念ビール」(330㍉㍑)の2種類。
 今月19日(火)からは、アサヒビール(東京都)の「アサヒスーパードライ『三陸鉄道リアス線一貫運行記念ラベル』」(中瓶、500㍉㍑)と、酒造会社浜千鳥(釜石市)の「浜千鳥本醸造『三鉄カップ』」(180㍉㍑)も入荷し、〝三鉄コーナー〟を活気づける。
 同店従業員で、三陸町越喜来に住む三浦真樹さん(45)は「三鉄は、高校時代に通学でお世話になり、友達との思い出もある。リアス線は地元民としても明るい話題。開通の際は、ぜひ久慈まで乗ってみたい」と期待を膨らませた。
 同店の藤井修司副店長(58)は「三鉄は地元になくてはならない存在。震災後、大変な思いをしながらも復活した鉄道。利用する人たちに、三陸地域の魅力を発信してくれる存在になってほしい」と応援している。
 このほか、盛町字町にある「ちっちゃなクレープ屋さん」(木村辰也代表)では、4月末まで商品「三鉄クレープ」(390円)の〝特別版〟を販売。ポンポンに見立てたカラフルなあられをトッピングし、エールの思いを表した。営業日は16日、23日と4月の土、日曜日(各日午前11時〜午後6時)で、売り上げの一部は三鉄に寄付する。
 リアス線開通初日の23日は、釜石─宮古区間で記念列車を運行。盛駅を含む全線での通常運行は、翌日の24日(日)から始まる。

 

全区間の運賃決まる

 

 三鉄は14日までに、釜石─宮古区間を含むリアス線全区間の運賃が決定したことを公表した。
 既存の営業区間での運賃変更はなし。通学定期の運賃はこれまで通り、県沿岸の東日本大震災被災地の人は半額、震災遺児は3分の1となる。通勤定期については後日発表。
 盛駅発着の主な区間の普通運賃、1カ月定期運賃は次の通り。
 ◆普通運賃
 ▽盛─大槌=1350円▽盛─陸中山田=1730円▽盛─宮古=2270円▽盛─久慈=3710円
 ◆1カ月定期運賃
 ▽盛─大槌=3万2340円▽盛─陸中山田=4万1470円▽盛─宮古=5万4480円▽盛─久慈=8万9040円