熊谷さん(高田東中)最高賞受賞 全国海の子絵画展で大臣賞 陸前高田
平成31年3月16日付 6面


熊谷さんの作品「海で働く」(県信漁連提供)
陸前高田市立高田東中学校(昆野賢寿校長、生徒187人)の熊谷寧音さん(2年)が、第41回全国海の子絵画展(JF全漁連主催)中学校の部で、最高賞の文部科学大臣賞を受賞した。作品は「海で働く」で、地元で盛んなカキ養殖を題材に選んだ。家族や学校関係者から祝福を受け、熊谷さんは「うれしい」と喜びを語る。
地元のカキ養殖題材に 浜で働く女性の姿描く
同絵画展は、漁業の将来を担う県内沿岸の小中学生に海を愛し、漁業に対する理解と認識を深めてもらうことを目的に毎年実施している。
県内からは小学校の部に588点、中学校の部に153点が寄せられ、このうち小学生6点、中学生4点が全国展の審査に推薦された。
熊谷さんの「海で働く」は、事前に撮影した写真を模写したもので、地元の作業場でカキの出荷作業に励む女性の姿を描いた。
「漁業というと男性のイメージだけど、浜仕事には女性も関わっている。その光景をそのまま描きたかった」と熊谷さん。温かみのある絵から「海のにおいや雰囲気を感じ取れるように」と、細部まで丁寧に描いた。重なり合うカキや女性の作業着など、いくつもの色を塗り重ねて単色では感じ得ない色の深みを加え、外から差し込む光や水でぬれる床の様子を白色の絵の具を使って表現した。
高田東中では、旧米崎中の伝統を引き継ぎ、生徒たちがカキ養殖を体験し、地元産業に理解を深めている。熊谷さんは「漁業者の方々が地域を大切にしているから、体験に協力してくれているのだと思う。これからも学校の行事として続いていき、カキ養殖がもっと盛んになってほしい」と願いを込める。
受賞の報に「『まさか自分が』と正直驚いている。まだ実感が湧かないけど、家族や学校の先生が喜んでいるのを見てうれしかった」と笑顔で話し、「これからも浜で真剣に働く様子を描いてみたい」と意欲を見せる。
表彰式は25日(月)、東京都千代田区内で行われる予定。