小学校で卒業式ピーク 気仙小は新校舎で初めて 気仙3市町(別写真、動画あり)

▲ 卒業証書を受け取り、「ありがとうございます」と元気な声を響かせる卒業生

 気仙3市町の多くの小学校で19日、卒業式が開かれた。卒業生たちは勉強や運動に励んだ6年間を振り返りながら、中学校生活への期待を胸に学びやを巣立った。

 

希望胸に学びや巣立つ

 

 東日本大震災の津波で校舎が被災し、今年1月、陸前高田市気仙町の高台にできた新校舎に移った気仙小学校(金野美惠子校長、児童55人)では同日、新校舎で初めて卒業式が行われた。
 卒業生は、男子7人、女子6人の計13人。中学校の真新しい制服に身を包んで入場し、在校生代表の3〜5年生22人、教職員、保護者、来賓らが温かい拍手を送った。
 同校は平成25年4月、長部小と気仙小が統合して新設された。今回の卒業生は統合後第1期の入学生で、校庭に仮設住宅が立ち並ぶ環境で学校生活をスタートさせた。
 国歌斉唱のあと、金野校長が一人一人に卒業証書を授与。受け取った卒業生は「ありがとうございます」と元気な声を響かせ、会場の後方で待つ父母に証書を届け、固く握手を交わしたり、抱きしめ合ったりと、親子で喜びを分かち合った。
 金野校長は「3学期から新校舎での生活が始まり、気仙スギが使われたすてきな空間で多くの行事があった。気仙町の地域の方々、陸前高田市の大人たちのように困難が訪れても前向きに、校歌にある『気仙の心』を胸に秘め、自分の足でこれからの道を歩んでいってほしい」と式辞。
 市教委の金賢治教育長は「皆さんの大好きな長部、今泉で育ってきた誇りと自信を胸に、中学校生活を頑張ってほしい」と述べた。同校の三嶋悟PTA会長の祝辞のあと、学校とPTAから記念品が贈られた。
 このあと、卒業生が「門出の言葉」を発表し、地域住民や教職員、家族への感謝も伝えた。1年時からの思い出を振り返りながら、「共に歩んできた在校生の皆さんと過ごした日々は、かけがえのない宝物です。今、『伝統』という名のバトンを渡します。輝かしい気仙小学校の未来をつくり上げてください」と呼びかけた。
 これに対し、在校生たちは「常に目標を持ち精いっぱい努力した姿を忘れません。中学校に行っても頑張ってください」と声を合わせた。最後は校歌を全員で元気よく合唱し、締めくくった。