旧横田小にアートを展示 24日まで各種イベント 陸前高田(別写真あり)

▲ ハンドルを回して読むパラパラまんがなど、教室内にさまざまなアート作品を展示

アジアの芸術家ら参加

 

 「三陸国際芸術祭2019」における国際交流基金アジアセンター連携企画「三陸×アジア」の一環として21日、陸前高田市内で「気仙:アートとライフをここに持ち寄る」が始まった。横田町の旧横田小学校には24日(日)まで、アジアの芸術家たちが現地で作り上げた作品を展示。同日は高田町の栃ヶ沢公園などで、市民とアーティストらによるマルシェ(フリーマーケット)が行われる。
 旧横田小は一昨年から、同市のなつかしい未来創造㈱が実施する「陸前高田アーティスト・イン・レジデンス(AIR)」の会場となり、日本を含む各国の芸術家たちが、かつての学校を舞台に創作活動と展覧会を行っている。
 AIRは、アーティストが特定地域に1〜2カ月滞在しながら、現地の状況や地元の人々との交流を通し、芸術作品を制作・発表するもの。陸前高田では平成25年に始まって6年目を迎え、今年は初めて三陸国際芸術祭に合わせてアジアセンターと展覧会を共催した。
 会場では、フィリピンのアーティストコレクティブ「Bliss Market Laboratory」による災害関連アートプログラム映像の上映をはじめ、タイの現代作家アーチャ・チョリッグーさん、美術家・記録写真家の蓮沼昌宏さん、昨年に続き2回目の滞在となるラトビアの彫刻家アイガルス・ビクシェさんが、同校を拠点に地域とかかわりながら制作した作品などを紹介する。
 このうち、蓮沼さん(37)は東日本大震災直後の23、24年に車で同市を訪れたことがあるといい、そのときの経験をもとにした「パラパラ漫画」3本と、今回描き下ろした新作漫画1本、絵などを展示。ハンドルをくるくる回すことでイラストがめくれてアニメーションになるパラパラ漫画の新作は、蓮沼さんが今回、「希望の一本松」を見学しようと駐車場から松のそばまで歩いた時に感じたことなどがモチーフになっているという。
 来場者は窓のように丸くくり抜かれたパネルに近づいてハンドルを回し、幅4㌢ほどのイラストがどんどん変化していく様子に歓声をあげていた。
 同小学校での展覧会は24日までの午前10時〜午後5時。横田町在住の画家・田崎飛鳥さんの旧作・新作も合わせて展示する。
 24日は高田町の栃ヶ沢公園に設置された巨大なインスタレーションの周辺で、フリーマーケットを開催。手芸や木工品、パン、コーヒーなどの販売があるほか、フォークダンスを習ったり、歩石づくりが体験できる。
 隣接する栃ヶ沢アパート集会所では、折り紙やねんどで「お弁当」をつくる子ども向けのワークショップが行われる。参加無料。実施時間はいずれも午前10時〜午後3時。