山谷工区が全線開通 火石交差点に右折レーン 住田町世田米の国道340号

▲ 右折レーンが設けられた火石交差点付近

 住田町世田米を通る一般国道340号・火石交差点付近で25日、右折レーンの設置作業が終わり、県が工事を進めてきた全長約2・7㌔にわたる山谷工区道路改良区間が全線開通となった。交通の安全性向上や物流輸送効率化、観光周遊ルートの強化など、多方面で波及効果が期待される。 陸前高田市から続く町内の国道340号は、盛岡市をはじめ内陸部につながる重要な路線である半面、センターラインが引かれておらず、大型車のすれ違いが困難な状況が続いた。沿線には住宅や事業所が立地し通行量が多く、歩行者の安全対策の面でも改良が求められていた。
 長年の地域課題であり、特に東日本大震災以降、被災地を結ぶ路線として重要性が浮き彫りに。同町や陸前高田市は早期整備の要望を根強く訴えてきた。
 県は復興支援道路に位置づけ、発災翌年の平成24年から事業に着手。用地測量調査などを経て、27年度から工事が本格化した。総事業費は39億6000万円。
 工区のうち、田ノ上橋~住田フーズ付近の約1・9㌔では昨年12月までに、かさ上げ・拡幅整備が終了。住田フーズ付近~火石交差点は、かつて町が整備した木造仮設住宅・火石団地敷地内などを通るルートでの新設工事などが順調に進み、暫定供用にこぎ着けた。車道と路肩に加え、片側には2・5㍍の歩道も整備された。
 今年1月31日には、住田フーズ付近~火石交差点の約800㍍区間で、新ルートの暫定供用を開始。同区間は気仙の国道では唯一、センターラインがない1車線道路だったが、バイパス化で解消された。その後は旧道から接続が切り替わる火石交差点部分の工事などが続き、25日に右折レーン用の車線が設けられた。
 同日は午後2時以降、陸前高田市方面から走行してきた車両が続々と右折レーンを利用。大型車両も多かったが、目立った混乱はなく、スムーズな通行が続いた。
 26日以降も、火石交差点付近や旧道部分へと続く各歩道の整備工事などが行われる予定。旧道から火石交差点への車両の通り抜けはできず、沿線住民の生活道路などとして活用される。
 山谷工区の全体ルートと、平成30年度の整備部分は別表。