種山ガイド、年間1000人突破交流人口拡大にも貢献 すみた森の案内人の会

▲ 町外の保育園児にも広まりつつある種山での「森の保育園事業」。案内人の重要性が高まっている

 住田町を拠点とするすみた森の案内人の会(吉田洋一会長、会員23人)は本年度、種山を中心とした自然活動などで案内した人数が延べ1000人を突破した。例年、町教育委員会とともに実施する町内の子どもたちを対象とした森の保育園事業にとどまらず、町外の保育園児や公民館主催事業への対応が伸びた。町の魅力発信や交流人口拡大にも一役買っており、会員も活動の広がりに手ごたえを感じている。

 

町外園児の対応伸びる 

 

 同会は、平成19年に正式発足。会員は基本的に、種山を舞台に毎年10回程度行われる「目指せ!森の達人(マイスター)講座」の受講生で組織し、年齢は30〜80代と幅広い。
 町内の保育園年長児らは毎年、町教委による森の保育園事業の一環で、季節ごとに種山を訪れる。また、町内の小中高校が実践している独自教科「地域創造学」でも、屋外で体験学習を行う機会が多い。会員たちは子どもたちに寄り添い、森林の魅力や働きに理解を深める活動を支えている。
 本年度の活動実績は、23日に町内で行われた総会で示された。昨年5月3日に実施した「花と緑の観賞会」を皮切りに、今年3月上旬まで34回の活動に携わった。例年、案内した人数は3けた台で推移してきたが、本年度は1002人となった。
 特に多かったのは、森の保育園事業。冬場に散策路を利用してソリ滑りを楽しむ活動への対応が相次いだ。
 町内保育園児の活動に加え、気仙両市の子どもたちの来訪が目立った。大船渡市の盛、赤崎、日頃市、立根、陸前高田市の高田、長部、広田、竹駒の計8保育園から園児延べ366人訪れ、会員たちが安全で楽しい思い出づくりに貢献した。
 このほかにも、釜石市や宮城県気仙沼市から公民館活動で訪れた、一般世代の自然散策にも同行。種山は比較的歩きやすい散策路が多い半面、季節によってみられる動植物の説明や天候変更時の誘導などガイドの役割は多岐にわたり、今では自然観察やウオーキング活動に欠かせない存在となっている。
 吉田会長(69)は「最近求められている交流人口拡大という面を考えれば、良い傾向といえるのではないか。子どもが楽しかった思い出を親に伝えれば、親子で種山に訪れる機会にもつながると思う。種山に親しみを持つ人々が少しでも増えてほしい」と語る。
 今後も町内外の園児らの活動に同行し、散策やネイチャーゲーム、冬場のソリ遊びなどを支える方針。一般世代を対象とした、季節ごとの散策会も開催することにしている。