今月末の解散を正式決定 市応急仮設住宅支援協 4年間の活動に終止符 大船渡

▲ 今月末での解散を正式に決定した大船渡市応急仮設住宅支援協議会

 大船渡市応急仮設住宅支援協議会(代表・金野敏夫市社会福祉協議会事務局長、委員6人)は26日、市役所で総会を開き、「ほぼすべての仮設住宅入居者が恒久住宅に移転するめどがたった」として、31日(日)をもって同協議会を解散すると正式決定した。協議会としての活動には終止符を打つが、今後も構成団体がそれぞれで災害公営住宅のコミュニティー支援や健康見守り活動などの被災者支援事業を継続していくことを申し合わせた。

 

被災者支援は個々で継続

 

 同協議会は平成27年3月、東日本大震災による被災者の生活再建と応急仮設住宅の集約化を目的に設立。市(長寿社会、健康推進、地域福祉、住宅公園の各課)、市社会福祉協議会、公益財団法人・共生地域創造財団の3者で構成している。
 総会には、代理を含む委員全員と構成団体の関係者ら合わせて16人が出席。
 金野代表は「震災から8年の段階で、大船渡は応急仮設住宅から新しい生活の場へと移っていくことになる。所期の目的を達成し、解散の協議を迎えたことは大変喜ばしいが、広い意味での生活再建というまでには非常に多くの時間がかかる。構成員個々が協働、連携して、これからも被災者、地域の方々への対応をしっかり行っていこう」とあいさつした。
 議事では、市応急仮設住宅支援協議会の解散、30年度の事業報告と決算見込み、清算結了および残余金の処分の4議案を協議。いずれも原案通り承認した。
 このうち、協議会の解散は、設立から4年間にわたる取り組みを通じ、ほぼすべての仮設住宅入居者が恒久住宅に移転するめどがたったことによる。31日をもって解散し、協議会としての活動を終える。
 事業報告によると、協議会では本年度、支援員14人体制で運営。①恒久住宅への移行支援②入居者が安心・安全な生活を送るための支援──に取り組んできた。
 ①では、仮設住宅において、昨年4月から防災集団移転促進事業や土地区画整理事業などでの住宅再建、市外に整備中の災害公営住宅に入居を予定するといった所定の要件に該当する世帯のみが入居を認められる特定延長に移行。協議会では、特定延長対象者が新たな生活の場へ確実に移行できるよう、運営会議を月1回開き、入居世帯の状況把握と情報共有を図ってきた。
 また、住まい再建の課題を抱える世帯に対しては、それぞれに応じた個別支援を展開。

 プレハブ仮設住宅においては、年度内にほぼすべての入居者が恒久住宅に移転するめどがたった。31年度も特定延長となるのはみなし仮設の17戸で、いずれも内陸の災害公営住宅への転居を見込んでいる。
 ②では応急仮設住宅支援員を配置し、入居者の見守り支援、入居世帯の状況把握と情報提供を実施。朝夕に声掛けを行うとともに、再建がこれからとなる入居者の不安に耳を傾け、必要な際は関係機関につなぐなどの役割を果たしてきた。入居者の減少に伴う団地内のコミュニティー維持、孤立防止に向けた支援にも取り組んだ。
 災害公営住宅には、コミュニティーサポーターを配置。コミュニティー形成支援として、それぞれの団地の規模や地域の特性に応じ、住民組織となる団地会の形成、住民同士のつながりづくりなどをサポートし、自立的な団地会運営、住民同士の支え合い推進を図ってきた。
 解散後の清算結了にかかる事務は、住宅公園課が担当。最終監事は現在の監事が担い、発生が見込まれる残余金は市へ返還する。
 これまで協議会が担ってきた被災者支援の取り組みは、構成団体が個々で引き継ぎ、全事業を続けていく。
 災害公営住宅のコミュニティー支援は、市が復興支援員制度を利用したコミュニティサポーターを委嘱して継続。生活困窮者や高齢者の支援は市と社協、共生地域創造財団が、健康見守りの各種事業は市が中心となって進めていく。