自己見つめ風景と出合う 三十三観音霊場の徒歩巡礼 気仙3市町で(別写真、動画あり)

▲ 観音様と向き合いながら自分自身を見つめ、心安らぐ景色と出合うことができる巡礼

 「祈りの道」再興プロジェクト(福田亮雄代表)による「気仙三十三観音霊場徒歩巡礼」は27日、陸前高田市からスタートした。4月1日(月)までの計6日間、気仙3市町にある33カ所の札所を巡り、観音さまにお参りしながら自分自身と向き合い、道中で出合う風景や発見、参加者同士の交流を楽しむ。巡礼は日帰りで、途中参加もできる。

 

途中参加も可能

 

 徒歩巡礼は、古くから「祈りの道」であった気仙三十三観音巡りを再興しようと活動している同プロジェクトが企画。震災で傷ついた人々の心をなぐさめるとともに、地域に眠る〝宝〟を見つめ直そうと春と秋の年2回実施している。春の巡礼は気仙2市1町にまたがる33の札所をすべてまわる日帰りの旅で、総距離は約89㌔。今年で6回目を迎えた。
 初日は小学生から中高年まで27人が参加。〝リピーター〟も多く、道中は初参加の人とも和気あいあいと語り合いながら、満開のハクバイやツバキ、野の花を楽しんだり、急傾斜は互いに励まし合って上るなどし、巡礼者同士の親睦も深めた。
 この日は陸前高田市気仙町から矢作町にかけて歩き、要谷観音堂、古谷観音堂、上長部観音堂、金剛寺、泉増寺、観音寺、馬頭観音堂を参拝。立ち寄るたびにお堂内で般若心経をあげ、各札所の「御詠歌」を歌って、それぞれ御仏と心静かに向き合った。
 震災時、高田町で被災した菅野前子さん(69)は3回目の参加といい、「まだ全日程参加できたことはないけれど、ここに来れば会える人もいて楽しい。歩いているとなんとなく気持ちが落ち着くというか、ほっとできるような気がする」と語った。
 福田代表(51)=東京・上野成就院住職=は、「巡礼は亡くなった方を弔う意味があると同時に、観音様や一緒に歩く方、地域の宝物との〝ご縁〟をつなぐもの。歩くことによって新しいご縁をつむいでもらえれば」と話していた。
 また、巡礼期間中は同市高田町のアバッセたかたで栃木県在住の澤田茂さんによる画展「古刹めぐり」を開催。澤田さん自身が気仙三十三観音霊場を歩いた際のスケッチなどを展示している。
 28日以降の巡礼に参加希望の人は、スタート時に現地集合を。参加は1日ごとで、行程の途中から加わることもできる。御朱印料、昼食や集合・解散場所までの移動は各自の負担となる。
 行程次の通り。1日あたり歩く距離は10~17㌔程度。
 ◆28日(木)▽集合=陸前高田駅(午前8時)▽解散=舞出口バス停▽行程=陸前高田駅―大石観音堂―羽縄観音堂―正覚寺―延命寺―常光寺―平栗福寿庵
 ◆29日(金)▽集合=世田米駅(午前8時5分)▽解散=上有住公民館▽行程=世田米駅―向堂観音堂―満蔵寺―中清水観音・長桂寺―城玖寺―坂本堂
 ◆30日(土)▽集合=盛駅(午前7時30分)▽解散=陸前赤崎駅▽行程=盛駅―洞雲寺―舘下観音堂―稲子沢観音堂―長谷寺―田端観音堂 ※巡礼終了後、希望者で昼食会を予定
 ◆31日(日)▽集合=碁石海岸口駅(午前8時)▽解散=小友駅▽行程=碁石海岸口駅―熊野神社熊野堂―小舘観音堂―田束観音堂
 ◆4月1日(月)▽集合=小友駅(午前8時)▽解散=陸前高田駅▽行程=小友駅―常膳寺―立山観音堂―普門寺―氷上本地堂―坂口観音堂―浄土寺