大船渡東の柳下君 和食文化国民会議賞を受賞 東京・高校生和食料理コンテストで
平成31年4月4日付 7面

大船渡東高校食物文化科3年の柳下歩夢君(17)=陸前高田市高田町=がこのほど、東京都で開かれた「第2回高校生和食料理コンテスト」に出場し、3位相当の和食文化国民会議賞を受賞した。作品は「バッケ香る鯛丼・鯛のだし茶づけと鯛の潮汁」。初春に採れる地場産品を使用するなど〝三陸の春〟を詰め込み、工夫をこらした品が高い評価を得た。
同コンテストは、東京の学校法人水野学園・東京すし和食調理専門学校が主催。和食文化国民会議など3者が協賛・後援した。
昨年12月から今年1月中旬にかけ、「春をイメージした『丼ぶり』と『椀物』」をテーマに作品を募集。タイと山菜、応募者の地元の食材を課題食材にした。
予選の書類審査では、全国から応募があった100余りの個人・チームから、11個人・チームを選出。柳下君も本選出場を決めた。
本選は、同校で調理審査を実施。作品を紹介するプレゼンテーションも行った結果、柳下君の作品は、3位相当の企業賞のうち、和食文化国民会議賞に輝いた。
作品の鯛丼は、三陸産ワカメを混ぜ塩で味付けしたご飯にタイの切り身を乗せた。切り身は、しょうゆに漬けたものとそのままのものの2色で見た目を工夫。同科が製造している「若竹みそ」と、陸前高田市内で自ら調達したフキノトウ(バッケ)を使った特製みそを添えた。
一方、タイの頭が入ったわん物には、県産ワラビや、陸前高田の「北限のゆず」を使用し風味を調えた。タイの皮で作った唐揚げも加え、春らしい香りと多彩な食感を演出した。
柳下君の将来の夢は和食の料理人、特にすし職人になることで、日々研さんに励んでいる。
柳下君は「全国の人たちの料理も見ることができ、成長するきっかけになった。料理を教えてくれた先生や家族らがいて作品は完成したと思っている」とほほ笑み、「食べてくれる人が喜ぶ料理を作れるようさらに技術を磨きたい。次回のコンテストではグランプリを」と意気込んでいた。