「本因坊戦」盛り上げを 今年も囲碁まつりを開催 大船渡
平成31年4月13日付 3面

第74期本因坊戦七番勝負の第1局は5月11(土)、12(日)の両日、大船渡市大船渡町の防災観光交流センター(おおふなぽーと)で行われる。これに合わせ、同市を主会場に同9日(木)~13日(月)に「碁石海岸で囲碁まつり」(実行委員会主催)が行われることになり、今月12日にそれぞれの主催者らが概要を発表した。大船渡での本因坊戦は50年ぶり2回目となり、囲碁まつりではこれを盛り上げる多彩な催しを企画し、多くの参加を呼びかけている。
5月9~13日 多彩な催しを企画
12日に大船渡市役所で開かれた記者会見には、本因坊戦を主催する毎日新聞社の三岡昭博事業本部総務・企画事業部長や、囲碁まつり実行委の木谷正道代表(71)=神奈川県平塚市=らが出席。三岡部長が本因坊戦、木谷代表が囲碁まつりの概要を説明した。
本因坊戦は昭和16年(1941)から行われ、今回で第74期を数える。現在は、本因坊文裕・井山裕太九段(29)が第67期から7連覇中。対戦相手は、10日の本因坊戦リーグ挑戦者決定プレーオフを制し、初の挑戦権を得た河野臨九段(38)。
大船渡での本因坊戦は、同44年(1969)の第24期以来で半世紀ぶり。タイトル戦の開催は、昨年2月の第42期棋聖戦に続くものとなる。
対局は11日からの2日制で行われる。持ち時間は各8時間。
本因坊戦に合わせて行う囲碁まつりは、「碁石」の地名を東日本大震災からの復興と振興に生かそうと、故・木谷實九段を父に持つ日本棋院墨田支部長の木谷代表が中心に実行委をつくり、平成26年度から開催。今年で6回目となる。
まつり初日の9日は、初めて久慈市で開催。10日は、三陸鉄道・久慈駅を出発した囲碁列車が盛駅に到着後の午後2時10分から、本因坊戦の出場者らも交えた歓迎セレモニーが開かれる。同4時からは、盛町のリアスホールで本因坊戦歓迎会を行う。
11日は、同ホールを主会場にまつりの開会式、ジャズピアニスト・山下洋輔さんがゲスト出演する音楽祭、特別記念フォーラム「東北復興と日台交流」などを展開。また、本因坊戦では第一手観戦を企画しており、希望する市民30人を募集する。
12日には大船渡町のキャッセン大船渡を会場に、午前9時から全国・台湾・韓国盲学校囲碁大会が開幕。同10時からは白黒の専用Tシャツを着用した小学生80人が〝碁石〟役を務め、対戦する「人間碁」を初開催する。終了後は本因坊戦の大盤解説会も予定している。
会場ではこのほか、棋士指導碁、ペア碁大会、高次脳機能障害囲碁大会、純碁囲碁講座、高次脳フォーラムin大船渡などを計画。舞踊ステージやコンサートも繰り広げられる。
最終日の13日は、井山本因坊と河野九段が囲碁神社を参拝。5日間のまつりを締めくくることとしている。
木谷代表は「まつりを行うことで、大船渡の復興もさらに前へ進むと思う。今回は地元の方々が来やすいメニューを企画しているので、多くの方々に来ていただきたい」と多くの来場を呼びかけている。
本因坊戦の第一手観戦、人間碁の参加者は現在募集中。いずれも定員に達し次第締め切る。
申し込み、問い合わせは実行委の大和田東江さん(℡090・8250・3085)、まつりについての問い合わせは木谷代表(℡080・7991・4761)へ。