槻沢梯子虎舞10年ぶり奉納へ 21日に清瀧神社五年祭 陸前高田(別写真、動画あり)

▲ 地上十数㍍の高さで演じられる梯子虎舞

 陸前高田市横田町字槻沢に鎮座する清瀧神社(紺野幸宏宮司)の式年大祭(五年祭)は21日(日)、同町の第6区町内会館広場で挙行される。前回は東日本大震災で犠牲となった人を悼んでまつりを自粛したことから、平成21年以来10年ぶりの開催となる。本番を今週末に控え、地域住民たちが「槻沢梯子虎舞」などを奉納するため連日練習に励んでいる。

 

平成21年以来の挙行

横田第6区町内会館で

 

 清瀧神社は槻沢の山中にある「男滝」を背後にして社殿が立ち、不動明王と瀬織津姫命を祭神とする。勧請は元禄年間(1688〜1704)で、不動明王像は寛政7年(1795)に奉納されたと伝わる。
 式年大祭は5年に1回で、南行および槻沢にある46世帯で構成される清瀧神社崇敬講社(村上國男講長)がまつりを取り仕切る。26年の五年祭が行われなかったことから、今年は10年ぶりの開催。住民が先週から山中の参道整備や神社清掃などの準備にあたっている。
 ご神体は前日の宵宮に別当である荻原家へ迎え、21日の当日は6区町内会館で午前9時30分ごろから御旅所祭を執り行う。同10時10分からは順次、槻沢梯子虎舞、槻沢念仏剣舞、舞出鹿踊りの奉納演舞を、特設ステージでは手踊りを繰り広げる。奉納は午後1時10分からも行われる。
 同地区の梯子虎舞は、戦後間もない昭和24年、当時の槻沢地区青年会が「戦後復興期に心一つになれるものを」と、同町内に伝わる堂の沢梯子虎舞の教えを請い、習い覚えて祭りに奉納したのが始まり。47年からは後継者不足によって途絶えていたが、平成11年には槻沢地区以外の青年会員も加わって復活させた。 
 今回も久々の奉納となるため、目下住民たちは準備に余念がない。はしごは斜めに設置した状態で高さ16㍍と、4〜5階建ての建物ぐらいある。演者らは昨年秋から短めのはしごで練習を始め、祭り直前の現在はすでに会館前に組みあがっているはしごを使って本番に備える。
 村上幸一さん(68)、公也さん(43)、滉平さん(22)は親子3代で梯子虎舞に出演。虎舞は今回が初めてという滉平さんは、「高いので怖さはあるけれど、3代で一緒にできる貴重な機会。まつりが10年ぶりでもあるので、たくさんの人に見にきてほしい」と語った。
 大祭実行委員長でもある村上講長(78)は「芸能を継承していくうえでもまつりはやっぱり大事。当日は雨だけが心配」と話し、久しぶりの大祭が好天に恵まれることを願った。