気仙の校庭仮設すべて解消 最後の高田一中で「校庭開き」(別写真、動画あり)
平成31年4月17日付 1面
待った8年1カ月余 喜びの声響く
東日本大震災後に整備された応急仮設住宅の撤去が済んだ陸前高田市の高田第一中学校(熊谷広克校長、生徒239人)で16日、生徒会執行部が中心となって企画した「校庭開き」が行われた。生徒たちは震災発生から8年1カ月余、待ちに待った校庭復旧を喜び合った。これにより、仮設住宅が整備され、その後復旧が計画された気仙両市の小中学校と高校合わせて16校の校庭すべてが使用再開に至った。
昨年春、第一中と気仙中が統合し、新設校としてスタートを切った高田第一中。念願の校庭が開放され、また一つ節目を迎えた。
生徒会はこれまでの支援、校庭復旧に携わった関係者に感謝を伝えようと、校庭開きを企画。16日は生徒たちを祝うかのような快晴に恵まれ、全校生徒が校庭に集まった。
菅野陽菜子生徒会長(3年)は「校庭が復活し、とてもうれしい。きょうはみんなで元気な姿を発信する有意義な日としましょう」とあいさつ。熊谷校長は「感謝の気持ちを忘れず、この校庭を使いながら陸前高田市に活気を与えていって」と呼びかけた。
震災当時の同校校長で、市教育委員の佐々木保伸さん(65)も登壇。体育館などを避難所として使った8年前を振り返り、「学校は常に地域に支えられている。これからも地域と一緒に歩んでいってください」と説いた。
オリエンテーションでは、生徒たちが元気よく校庭を駆け回り、その後1~3年の約20人が将来の夢を発表。千葉玲奈さん(2年)は「プロのサッカー選手になってなでしこジャパンに入り、絶対ワールドカップに出場する」、男子バスケットボール部の佐々木和弥君(3年)は「県中総体に出られるよう日常生活から見直し、目標を達成するため頑張る」と、大きな声を響かせた。
津波で甚大な被害を受けた同市。同校の校庭には県内第1号で仮設住宅の整備が始まり、約150戸が立ち並んだ。
復旧まで使ってきた仮設グラウンドでは、運動会など学校行事を開催したり、運動部が練習に励んできた。学校から徒歩で15分ほどかかり、スペースが限られるため、満足のいく練習ができなかったが、生徒たちは逆境をはねのけ、野球部は昨秋の全日本軟式野球大会県予選で優勝し、全国大会出場を果たした。
橋詰結姫奈さん(3年)は「校庭開きは生徒間の仲も深まる行事となった。この校庭で新しい伝統を築き、後輩たちにも引き継いでいってほしい」と話していた。
気仙両市では、学校用地に建てた仮設住宅の撤去・集約化を優先的に進め、大船渡市内では小中学校8校の校庭が29年8月までに復旧。陸前高田市内では今回の高田第一中を最後に、小中学校と高田高の計8校すべてで校庭引き渡しが完了した。





